3. 極限の代表例とテイラー展開の応用神経衰弱 (難関大入試対策)

2026年5月4日月曜日

極限値 数学

t f B! P L

はじめに

本サイトの目玉は、下のカードめくりなので、適当に楽しんでいってください。

「$0/0$」や「$\infty/\infty$」の不定形極限を処理する問題では、関数の極限の基本公式を組み合わせるのが王道です。 しかし、時には「テイラー展開(マクローリン展開)」の最初の数項を知っていると、極限計算は単なる「多項式の係数比較」になり、 一瞬で答えを見抜くことができます。 「テイラー展開(マクローリン展開)」の最初の数項は神経衰弱の下に、解説をしました。

全13題中4題で、テイラー展開の初めの数項を使う問題が入っています。

極限値カードめくりゲーム

間違えるても、計算の仕方と答えの説明がでるので、そのうち、覚えられます。

下のカードを全部めくって、極限値の選択肢を見てから、上のカードをめくる方法を奨めます。

式一覧

下の方で、それぞれの求め方を解説してあります。8-11はテイラー展開を使っています。

  1. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{\sin x}{x} = 1 \)
  2. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{1-\cos x}{x^2} = \frac{1}{2} \)
  3. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{e^x-1}{x} = 1 \)
  4. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{\ln(1+x)}{x} = 1 \)
  5. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{a^x-1}{x} = \ln a \)
  6. \( \displaystyle \lim_{n\to\infty} \left(1+\frac{a}{n}\right)^n = e^a \)
  7. \( \displaystyle \lim_{x\to0} (1+x)^{1/x} = e \)
  8. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{\sin x - x}{x^3} = -\frac{1}{6} \)
  9. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{e^x - 1 - x}{x^2} = \frac{1}{2} \)
  10. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{\ln(1+x) - x}{x^2} = -\frac{1}{2} \)
  11. \( \displaystyle \lim_{x\to0} \frac{\tan x - x}{x^3} = \frac{1}{3} \)
  12. \( \displaystyle \lim_{n\to\infty} \sqrt[n]{n} = 1 \)
  13. \( \displaystyle \lim_{n\to\infty} \frac{n}{2^n} = 0 \)

極限計算のためのテイラー展開(マクローリン展開)一覧

【基本】マクローリン展開の一般式

関数 \(f(x)\) が何度も微分可能であるとき、$x \to 0$ の極限計算で威力を発揮するのが、\(x=0\) のまわりで展開する「マクローリン展開」です。関数を多項式(べき級数)で近似します。

\( \displaystyle f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{f''(0)}{2!}x^2 + \frac{f'''(0)}{3!}x^3 + \cdots + \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n + \cdots \)

代表的な関数の展開式(\(x \to 0\) での近似)

  1. \( \displaystyle e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots \)
    【ヒント】 分子に \(e^x - 1\) があれば、\(x\) の1次項だけが残り「\(\approx x\)」として振る舞います。
  2. \( \displaystyle \sin x = x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \cdots \)
    【ヒント】 奇数次のみの交項級数。\(\sin x - x\) の極限では第2項の \(-\frac{x^3}{6}\) が主役になります。
  3. \( \displaystyle \cos x = 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \cdots \)
    【ヒント】 偶数次のみの交項級数。\(1 - \cos x\) の極限では \(+\frac{x^2}{2}\) の項が生き残ります。
  4. \( \displaystyle \tan x = x + \frac{x^3}{3} + \frac{2x^5}{15} + \cdots \)
    【ヒント】 \(\sin x\) と似ていますが、符号がすべてプラスになり、階乗がつきません。
  5. \( \displaystyle \ln(1+x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \cdots \)
    【ヒント】 分母に階乗(\(!\))がつかない交項級数です。\(\ln(1+x) - x\) は \(-\frac{x^2}{2}\) に近似されます。
  6. \( \displaystyle (1+x)^\alpha = 1 + \alpha x + \frac{\alpha(\alpha-1)}{2!}x^2 + \cdots \)
    【ヒント】 二項定理の一般化です。\(\alpha = \frac{1}{2}\) とすれば、\(\sqrt{1+x} \approx 1 + \frac{1}{2}x\) として累乗根の近似に役立ちます。

究極の裏技?「ロピタルの定理」の基本

極限の計算をしていると、分子も分母も \(0\) に近づいてしまい、「\(\frac{0}{0}\)(不定形)」になって計算がストップしてしまうことがあります。

こんなとき、分母と分子を「それぞれ微分」することで、極限値の正体をあぶり出す強力なツールがロピタルの定理です。

【ロピタルの定理】
\(x \to a\) のとき、分母も分子も \(0\) になる(または共に \(\pm\infty\) になる)場合、以下の関係が成り立ちます。
\[ \lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)} \]

基本例題:まずは1回微分してみる

次の極限を考えてみましょう。

\[ \lim_{x\to0} \frac{1-\cos x}{x^2} \]

そのまま \(x=0\) を代入すると \(\frac{1-1}{0} = \frac{0}{0}\) になってしまいます。そこで、分母と分子をそれぞれ微分します。

1回目の微分:
分子:\((1-\cos x)' = \sin x\)
分母:\((x^2)' = 2x\)
よって、式は次のように変わります。
\[ \lim_{x\to0} \frac{\sin x}{2x} \]
ここで \(x=0\) を入れると、まだ \(\frac{0}{0}\) ですね。ロピタルの定理は、\(\frac{0}{0}\) である限り何度でも使えます。もう一度微分しましょう!
2回目の微分:
分子:\((\sin x)' = \cos x\)
分母:\((2x)' = 2\)
ふたたび極限をとります。
\[ \lim_{x\to0} \frac{\cos x}{2} = \frac{1}{2} \] 分母から \(x\) が消えたことで、ついに答えが出ました!

応用編:計算地獄を回避する「ハイブリッド技」

ロピタルの定理は強力ですが、「何も考えずに何度も微分し続けると、式が複雑になりすぎて自爆する」という弱点があります。次の有名な極限を見てみましょう。

\[ \lim_{x\to 0} \frac{\tan x - x}{x^3} \]

\(x=0\) を入れると \(\frac{0}{0}\) なので、1回微分してみます。

分子:\((\tan x - x)' = \frac{1}{\cos^2 x} - 1\)
分母:\((x^3)' = 3x^2\)
\[ \lim_{x\to 0} \frac{\frac{1}{\cos^2 x} - 1}{3x^2} \]
【要注意!】
ここでまだ \(\frac{0}{0}\) だからといって、分子の \(\frac{1}{\cos^2 x} - 1\) をもう一度微分しようとすると、商の微分則が絡んで計算ミス(定数の落とし忘れなど)が非常に発生しやすくなります。

賢い使い方は、「ロピタルと、知っている極限の知識を組み合わせる(ハイブリッド)」ことです。上の式を少し変形してみましょう。

分数の中に分数があって見にくいので、分子を通分します。
\[ \frac{\frac{1 - \cos^2 x}{\cos^2 x}}{3x^2} = \frac{1 - \cos^2 x}{3x^2 \cos^2 x} \] ここで、三角関数の基本公式 \(1 - \cos^2 x = \sin^2 x\) を使います。
\[ \frac{\sin^2 x}{3x^2 \cos^2 x} \] この式を、よく知っている \(\lim_{x\to 0} \frac{\sin x}{x} = 1\) が使えるように分解します。
\[ \frac{1}{3} \cdot \left(\frac{\sin x}{x}\right)^2 \cdot \frac{1}{\cos^2 x} \] これで \(x \to 0\) の極限をとると…
\[ \frac{1}{3} \cdot (1)^2 \cdot \frac{1}{1^2} = \frac{1}{3} \]

このように、ロピタルの定理は「邪魔なものを削るための最初の一手」として使い、途中からは式の変形に切り替えるのが、一番安全で確実な計算方法です。

極限公式と解き方一覧

1.$\lim_{x\to0} \frac{\sin x}{x} = 1$

【分類】 三角極限

【解き方のポイント】 中心角 $x$ の扇形と2つの三角形の面積を比較し、$\cos x < \frac{\sin x}{x} < 1$ を導き、はさみうちの原理を適用します。すべての基本です。

【具体的な求め方】 半径 $1$、中心角 $x$ $\left(0 < x < \frac{\pi}{2}\right)$ の扇形OABを考えます。点Aにおける接線を引き、OBの延長との交点をTとすると、図形の中に「三角形OAB $\subset$ 扇形OAB $\subset$ 直角三角形OAT」という包含関係が生まれます。それぞれの面積を計算すると、$\frac{1}{2}\sin x < \frac{1}{2}x < \frac{1}{2}\tan x$ となります。各辺を $\frac{1}{2}\sin x$($>0$)で割り、逆数をとると $\cos x < \frac{\sin x}{x} < 1$ を得ます。$x \to +0$ で $\cos x \to 1$ なので、はさみうちの原理により $1$ に収束します。($x < 0$ の場合は $x = -t$ と置換して偶関数性を示せば同じ結果になります)。

2.$\lim_{x\to0} \frac{1-\cos x}{x^2} = \frac{1}{2}$

【分類】 三角極限

【解き方のポイント】 $1-\cos x$ を見たら「分母分子に $1+\cos x$ を掛けて $\sin^2 x$ を作り出す」のが鉄則です。

【具体的な求め方】 そのままでは $\frac{0}{0}$ の不定形です。分母分子に $1+\cos x$ を掛けると、分子は $1-\cos^2 x$ となり、三角関数の基本性質から $\sin^2 x$ に化けます。式全体は $\frac{\sin^2 x}{x^2(1+\cos x)}$ となり、$\left(\frac{\sin x}{x}\right)^2 \cdot \frac{1}{1+\cos x}$ と分解できます。前半部分は公式1により $1^2 = 1$ に収束し、後半部分は $x \to 0$ で $\frac{1}{1+1} = \frac{1}{2}$ に収束するため、掛け合わせて $\frac{1}{2}$ となります。

3.$\lim_{x\to0} \frac{e^x-1}{x} = 1$

【分類】 指数対数極限

【解き方のポイント】 関数 $f(x)=e^x$ の $x=0$ における微分係数の定義式そのものであることを見抜きます。

【具体的な求め方】 微分係数の定義 $\lim_{x\to 0}\frac{f(x)-f(0)}{x-0}$ に $f(x)=e^x$ を当てはめると、分子は $e^x - e^0 = e^x - 1$ となり、与式と完全に一致します。つまり、この極限値は「$y=e^x$ の $x=0$ における接線の傾き」を求めることと同義です。$(e^x)' = e^x$ に $x=0$ を代入して $e^0 = 1$ が直ちに得られます。

4.$\lim_{x\to0} \frac{\ln(1+x)}{x} = 1$

【分類】 指数対数極限

【解き方のポイント】 対数の性質を使って分母の $x$ を真数の指数に持ち上げ、ネイピア数 $e$ の定義に帰着させます。

【具体的な求め方】 与式を $\frac{1}{x} \ln(1+x)$ と見なします。対数の公式 $k \ln M = \ln(M^k)$ より、$\ln(1+x)^{1/x}$ と変形できます。対数関数は連続なので、極限の操作を対数の中に入れることができ、$\ln \left[ \lim_{x\to0}(1+x)^{1/x} \right]$ となります。大カッコの中身はまさにネイピア数 $e$ の定義なので、$\ln e = 1$ となります。

5.$\lim_{x\to0} \frac{a^x-1}{x} = \ln a$

【分類】 指数対数極限

【解き方のポイント】 基本は公式3と同様に $f(x)=a^x$ の微分係数として捉えますが、底を $e$ に変換して証明する実戦的な手技も重要です。

【具体的な求め方】 微分係数の定義から $(a^x)' = a^x \ln a$ より $a^0 \ln a = \ln a$ と瞬殺できます。あるいは、底の変換として $a^x = e^{x \ln a}$ と書き換えるアプローチも強力です。与式は $\frac{e^{x \ln a} - 1}{x}$ となり、無理やり公式3の形を作るために分母分子に $\ln a$ を掛けて $\frac{e^{x \ln a} - 1}{x \ln a} \cdot \ln a$ とします。$x \ln a = t$ とおけば $t \to 0$ なので、前半は $1$ に収束し、結果として $\ln a$ が残ります。

6.$\lim_{n\to\infty} \left(1+\frac{a}{n}\right)^n = e^a$

【分類】 ネイピア数

【解き方のポイント】 指数部分を操作して、無理やり $(1+\frac{1}{t})^t$ の形(ネイピア数の定義)を作り出します。

【具体的な求め方】 $1$ に無限小を足して無限回掛ける「$1^\infty$ 型の不定形」は必ず $e$ が絡みます。$\frac{a}{n} = \frac{1}{t}$(つまり $t = \frac{n}{a}$)と置き換えると、$n \to \infty$ のとき $t \to \infty$ となります。与式の指数 $n$ は $n = at$ と書けるため、$\lim_{t\to\infty} \left(1+\frac{1}{t}\right)^{at}$ となります。これを $\left[ \left(1+\frac{1}{t}\right)^t \right]^a$ と変形すれば、大カッコの中身が $e$ に収束するため、$e^a$ となります。

7.$\lim_{x\to0} (1+x)^{1/x} = e$

【分類】 ネイピア数

【解き方のポイント】 これは変形するものではなく、「知っておくべき定義式」そのものです。

【具体的な求め方】 数列の極限 $\lim_{n\to\infty} (1+\frac{1}{n})^n = e$ の実数(連続関数)拡張バージョンです。$x \to +0$ の場合は $x=1/t$ とおいて証明し、$x \to -0$ の場合は $x=-1/t$ とおいて巧みな式変形(分母分子の整理)をすることで、どちらから近づいても $e$ に収束することが証明されます。微積分学のあらゆる公式の根底を支える「神の数」の定義です。

8.$\lim_{x\to0} \frac{\sin x - x}{x^3} = -\frac{1}{6}$

【分類】 テイラー応用

【解き方のポイント】 展開公式を暗記していれば代入して瞬殺。記述式などで展開が使えない場合は「ロピタルの定理+基本極限」のハイブリッド(別解)で切り抜けます。

【具体的な求め方】 $\sin x$ のマクローリン展開は $\sin x \approx x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} \cdots$ です。これを分子に代入すると、最初の $x$ がキャンセルされて $-\frac{x^3}{6} + \frac{x^5}{120} \cdots$ となります。分母の $x^3$ で割ると $-\frac{1}{6} + \frac{x^2}{120} \cdots$ となり、$x \to 0$ とすると $2$次以上の項はすべて消え去り $-\frac{1}{6}$ となります。
【別解:ロピタル+基本極限】 定理を1回適用して分母分子を微分すると $\frac{\cos x - 1}{3x^2}$ となります。ここで、公式2の $\lim \frac{1-\cos x}{x^2} = \frac{1}{2}$ を思い出し、マイナスを括り出して $-\frac{1}{3} \cdot \frac{1-\cos x}{x^2}$ と変形します。$-\frac{1}{3} \times \frac{1}{2} = -\frac{1}{6}$ となり、無用な計算ミスを防げます。

9.$\lim_{x\to0} \frac{e^x - 1 - x}{x^2} = \frac{1}{2}$

【分類】 テイラー応用

【解き方のポイント】 指数関数の展開式の美しさを実感できる極限です。

【具体的な求め方】 $e^x$ のマクローリン展開は $e^x \approx 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} \cdots$ です。分子から $1$ と $x$ を引くと、残るのは $\frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{6} \cdots$ となります。これを分母の $x^2$ で割ると $\frac{1}{2} + \frac{x}{6} \cdots$ となり、$x \to 0$ で $\frac{1}{2}$ に収束します。
【別解:ロピタル+基本極限】 1回微分すると $\frac{e^x - 1}{2x}$ になります。係数の $\frac{1}{2}$ を前に出せば $\frac{1}{2} \cdot \frac{e^x-1}{x}$ となり、公式3により $\frac{1}{2} \times 1 = \frac{1}{2}$ と求まります。

10.$\lim_{x\to0} \frac{\ln(1+x) - x}{x^2} = -\frac{1}{2}$

【分類】 テイラー応用

【解き方のポイント】 対数関数の展開は符号が交互に変わる(交項級数)ことに注意します。

【具体的な求め方】 $\ln(1+x) \approx x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} \cdots$ と展開されます。分子から $x$ が引かれることで、残るのは $-\frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} \cdots$ となります。分母の $x^2$ で割って $x \to 0$ とすると、$-\frac{1}{2}$ が生き残ります。
【別解:ロピタル+式変形】 1回微分すると $\frac{\frac{1}{1+x} - 1}{2x}$ となります。分子を通分して整理すると $\frac{1 - (1+x)}{1+x} = \frac{-x}{1+x}$ となり、全体は $\frac{-x}{2x(1+x)}$ です。$x$ で約分して $\frac{-1}{2(1+x)}$。ここに $x=0$ を代入すれば $-\frac{1}{2}$ です。

11.$\lim_{x\to0} \frac{\tan x - x}{x^3} = \frac{1}{3}$

【分類】 テイラー応用

【解き方のポイント】 $\tan x$ の展開式を知っていれば優越感に浸れますが、知らなくても焦らずロピタルと式変形を組み合わせれば確実に解けます。

【具体的な求め方】 $\tan x \approx x + \frac{x^3}{3} + \frac{2x^5}{15} \cdots$ と展開されます(この係数は微分を繰り返すことで求まります)。分子は $\frac{x^3}{3} + \cdots$ となり、分母の $x^3$ で割れば $\frac{1}{3}$ が得られます。
【別解:ロピタル+無理やりサイン】 1回微分すると、$(\tan x)' = \frac{1}{\cos^2 x}$ なので、$\frac{\frac{1}{\cos^2 x} - 1}{3x^2}$ となります。分子を通分すると $\frac{1-\cos^2 x}{\cos^2 x} = \frac{\sin^2 x}{\cos^2 x}$。式全体をまとめると $\frac{1}{3} \cdot \left(\frac{\sin x}{x}\right)^2 \cdot \frac{1}{\cos^2 x}$ となります。ここで $x \to 0$ とすれば $\frac{1}{3} \times 1^2 \times \frac{1}{1^2} = \frac{1}{3}$ です。

12.$\lim_{n\to\infty} \sqrt[n]{n} = 1$

【分類】 オーダー比較

【解き方のポイント】 累乗根が無限大に飛ぶときは、「自然対数をとって底に下ろす」のが定石です。

【具体的な求め方】 求めたい極限値を $y = n^{1/n}$ と置きます。両辺の自然対数をとると $\ln y = \frac{1}{n} \ln n = \frac{\ln n}{n}$ となります。無限大へ向かうスピード(オーダー)は、常に「対数関数 $\ll$ 多項式」という絶対的な力関係があります。分母の $n$ の方が圧倒的に早く大きくなるため、$\frac{\ln n}{n}$ は $0$ に収束します。つまり $\ln y \to 0$ なので、$y \to e^0 = 1$ となります。(厳密には $\sqrt{n}$ と $\ln n$ を比較するなどの証明が必要です)。

13.$\lim_{n\to\infty} \frac{n}{2^n} = 0$

【分類】 オーダー比較

【解き方のポイント】 「多項式 $\ll$ 指数関数」の力関係から直観的に $0$ とわかりますが、記述式では「二項定理」を使ってはさみうちの原理に持ち込むのが王道です。

【具体的な求め方】 分母の $2^n$ を $(1+1)^n$ と捉え、二項定理で展開します。$2^n = 1 + n + \frac{n(n-1)}{2} + \cdots$。すべての項は正なので、第3項までを取り出したものよりも $2^n$ の方が大きくなります。つまり $2^n > \frac{n(n-1)}{2}$ です。逆数をとって $n$ を掛けると、$0 < \frac{n}{2^n} < \frac{2n}{n(n-1)} = \frac{2}{n-1}$ となります。$n \to \infty$ で右辺は $0$ に収束するため、はさみうちの原理により与式も $0$ に収束します。

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