ONKYO SE-U33GXV
はじめに、ONKYO SE-U33GXV は、MacOS X での作動はメーカーは保証していません。また、録音用のソフトが附属しますが、もちろん動きません。ご理解のうえ、お読み下さい。
環境は、2006年製 MacBook - SE-U33GXV - ヘッドフォン Audio-technica ATH-A900 です。利用目的は、出張に上記の組み合わせで持ち歩くことです。
いつものように、結論を先に書くと SE-U33GXV は、現在の再生環境にある程度、満足されている方にはすすめません。SE-U33GXVを使う方が、中音を中心にバランスが改善され、自然な音になります。劇的な改善かというと、少なくとも上記の組み合わせでは、麺類に香辛料を入れるかどうかくらいの差でしょうか。Windows マシンの方の中には、劇的に変ったという方もいらっしゃるようなので、MacBook の内蔵ヘッドフォン端子には妙に感心してしまった次第です。また、スピーカーやヘッドフォンによっても、感想は異なってくると考えます。
さて、もう少し、詳しく書きます。まず、設定が必要です。MacOS 10.6 では特殊なソフトやドライバーは不要です。設定箇所は2つあり、(1) MacOS の音の出口の設定と、(2) USBデバイスの設定です。両方の設定をしないと、音すら鳴りません。どちらから設定されても大丈夫だと思います。USB以外の電源を持たないので、接続してから設定をして下さい。以下に少し詳しく書きます。
(1) MacOS の音の出口の設定は、USBで接続した状態で、システム環境設定のサウンドを開き、本機を選択します。これで、音が出ます。しかし、音割れがひどい状態だと思います。そこで、次の設定が必要です。
(2) USBデバイスの設定は、アプリケーションフォルダーの中のユーティリティーにある audio MIDI 設定.app というソフトを使います。出力が 44100.0 Hz になっていると思いますが、この数字を 48000.0 Hz 以上にします。16 bit または 24 bit のいずれでも動くようです。これで、音割れがなくなります。
(3) 音量の調節は、SE-U33GXV のつまみで行います。MacOS 側の出力は最大で固定になります。
さて、肝心の音質についてです。はじめに実力を発揮するまでに、数時間程度の慣らし運転、いわゆるエージングをした方が良いという意見がありましたので、あしからず。
まず、MacBook の内蔵端子と比較して、自然で音のまとまりが良くなると思います。この機材の場合、中高音が良くなるとされることが多いのですが、MacBook の場合は、どちらかというと中音域が太くなり、全体のバランスを整える感じだと思います。高音については、MacBook の出力端子はそれほど悪くないと思います。SE-U33GXV をはさむと、中音域があつくなり、音源によっては、広がりが出るように感じます。人の歌声については、特に女性の歌声については、SE-U33GXV をはさんだ方が、あたたかくなり、伴奏に溶け込んで全体のバランスは良くなるように感じます。
音の緻密度や解像度の向上、力強さなどの要素を望む方は、他の機材も検討してからの方が良いかもしれません。透明感については、圧縮などの音源の要素も多分に関連するので、USB出力以降に大きな責任を負わせてよいとは思いません。また、他の部にすでに書いたように、PC から音楽を再生する部分にも多少の工夫をする必要もあるかもしれません。
私の場合、持ち運びが前提なので、本機を購入しました。もし、部屋に据え置きでということになると、大きさの制限がゆるくなるので、Fostex, Audinst, audiotrak などの製品も、予算が潤沢なら、うわさのマランツなどのネットワークオーディオも選択肢に入ってくると思います。
参考までに、たまたまあった、Panasonic DVD-S39 という DVD プレヤーを本機につないで、MacBook と聴きくらべてみたところ、MacBook の方が厚くて暖色系の再生です。Panasonic DVD-S39 は、寒色系ですが、分解能はこちらが上です。外部入力からの音をヘッドフォンにとおす時には、本機のスイッチを REC 側にする必要があります。また、たぶん LINE にすると綺麗に聴こえるようになると思います。
なお、録音はしていないので、無評価です。
以上、だいぶ泥沼の入口にいる気がしてきた USB入力でヘッドフォンアンプとして機能する機材の紹介でした。