このページでは、高校化学(無機化学)の重要ポイントをカードゲーム形式で復習できるよう、一問一答形式で解説しています。
無機化学は単なる暗記ではなく、「酸化還元」「弱酸の遊離」「錯イオン形成」といった**反応機構のルール(key)**を見抜くことが重要です。
「問題(Q)」に対して、どの知識・考え方を使えば「答え(A)」にたどり着けるか、その思考のプロセスを確認していきましょう。
ハロゲン、酸素・硫黄、窒素・リン、炭素・ケイ素など、非金属元素の単体と化合物の性質をまとめます。
特に「気体の発生原理」と「乾燥剤・捕集法の選択」という実用的なルールに着目しましょう。
Q.01 \[ \text{水素 } \mathrm{H_2} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{Zn} \text{ (亜鉛)} \]
【試薬/条件】:希硫酸または希塩酸を加える。
【着眼点】:イオン化傾向が \[ \mathrm{H} \] より大きい金属を酸で酸化し、水素を還元遊離させる。
【法則/注意】:不動態をつくる \[ \mathrm{HNO_3} \] や、酸化作用が強い濃 \[ \mathrm{H_2SO_4} \] は別の気体が発生するため不可。
A. \[ \mathrm{Zn + H_2SO_4(dil.) \longrightarrow ZnSO_4 + H_2} \]
Q.02 \[ \text{塩素 } \mathrm{Cl_2} \text{ の実験室的製法 (1)} \quad \mathrm{MnO_2} \text{ (酸化マンガン(IV))} \]
【反応機構】:酸化還元反応( \[ \mathrm{MnO_2} \] が酸化剤、 \[ \mathrm{HCl} \] が還元剤)。
【試薬/条件】:濃塩酸を加え、加熱する。
【性質/用途】:下方置換法で捕集。洗気瓶は「水( \[ \mathrm{HCl} \] 除去)→ 濃硫酸(水分除去)」の順に通す。
A. \[ \mathrm{MnO_2 + 4HCl(conc.) \longrightarrow MnCl_2 + 2H_2O + Cl_2} \]
Q.03 \[ \text{塩素 } \mathrm{Cl_2} \text{ の実験室的製法 (2)} \quad \mathrm{Ca(ClO)_2} \text{ (高度さらし粉)} \]
【試薬/条件】:希塩酸を加える。常温(加熱不要)で進行。
【着眼点】:さらし粉 \[ \mathrm{CaCl(ClO)\cdot H_2O} \] を用いても同様に塩素が発生する。
【法則/注意】:酸化還元と弱酸遊離が組み合わさった反応。
A. \[ \mathrm{Ca(ClO)_2 + 4HCl(dil.) \longrightarrow CaCl_2 + 2H_2O + 2Cl_2} \]
Q.04 \[ \text{塩素水} \quad \mathrm{Cl_2 + H_2O} \]
【反応機構】:自己酸化還元反応。
【着眼点】:強い漂白・殺菌作用は、生じる次亜塩素酸 \[ \mathrm{HClO} \] の酸化力に由来する。
【法則/注意】:光によって分解し酸素を発生するため、褐色瓶で保存する。
A. \[ \mathrm{HCl + HClO} \quad \text{(塩酸 + 次亜塩素酸)} \]
Q.05 \[ \text{フッ素と水} \quad \mathrm{2F_2 + 2H_2O} \]
【反応機構】:酸化還元反応(水の酸素を酸化数 \[ -2 \to 0 \] へ酸化)。
【着眼点】:フッ素の酸化力が極めて強いため、他のハロゲンと異なり酸素を追い出す。
【法則/注意】: \[ \mathrm{Cl_2, Br_2} \] は水と一部反応して \[ \mathrm{HX + HXO} \] を生じるが、 \[ \mathrm{I_2} \] はほとんど溶けない。
A. \[ \mathrm{4HF + O_2} \quad \text{(激しく反応して酸素発生)} \]
Q.06 \[ \text{フッ化水素酸} \quad \mathrm{SiO_2 + 6HF} \]
【性質/用途】:ガラスを腐食(エッチング)するため、ポリエチレン等の樹脂製容器で保存する。
【着眼点】:フッ化水素 \[ \mathrm{HF} \] は水素結合により沸点が高く、水溶液は弱酸。
【法則/注意】:他のハロゲン化水素( \[ \mathrm{HCl, HBr, HI} \] )はすべて強酸である。
A. \[ \mathrm{H_2SiF_6 + 2H_2O} \quad \text{(ヘキサフルオロケイ酸)} \]
Q.07 \[ \text{ハロゲンの置換反応} \quad \mathrm{2KI + Cl_2} \quad \text{(ヨウ化カリウム水溶液に塩素)} \]
【法則/注意】:単体の酸化力(電子を奪う力)は \[ \mathrm{F_2 > Cl_2 > Br_2 > I_2} \] 。
【着眼点】:酸化力の強い単体を加えると、酸化力の弱いハロゲンがイオンから単体へと追い出される。
【呈色/沈殿】:ヨウ素 \[ \mathrm{I_2} \] が遊離し、水溶液は褐色を呈する。
A. \[ \mathrm{2KCl + I_2} \quad \text{(褐色溶液へ変化)} \]
Q.08 \[ \text{酸素 } \mathrm{O_2} \text{ の実験室的製法 (1)} \quad \mathrm{2H_2O_2} \text{ (過酸化水素水)} \]
【試薬/条件】:酸化マンガン(IV) を触媒として加える(常温)。
【着眼点】:自己酸化還元反応の一種。
【性質/用途】:酸素は水に難溶なため、水上置換法で捕集する。
A. \[ \mathrm{2H_2O + O_2} \quad \text{触媒: } \mathrm{MnO_2} \]
Q.09 \[ \text{酸素 } \mathrm{O_2} \text{ の実験室的製法 (2)} \quad \mathrm{2KClO_3} \text{ (塩素酸カリウム)} \]
【試薬/条件】:触媒 \[ \mathrm{MnO_2} \] を加えて加熱する。
【法則/注意】:有機物などの還元性物質が混入すると、激しく反応し爆発する危険がある。
【性質/用途】:マッチの頭薬や花火の酸化剤として利用される。
A. \[ \mathrm{2KCl + 3O_2} \quad \text{触媒: } \mathrm{MnO_2} \text{ / 加熱} \]
Q.10 \[ \text{オゾン } \mathrm{O_3} \text{ の生成と検出} \quad \text{無声放電 または 紫外線} \]
【着眼点】:極めて強い酸化力により \[ \mathrm{I^-} \] を酸化し \[ \mathrm{I_2} \] を遊離させる。
【呈色/沈殿】:遊離したヨウ素がデンプンと反応し、特有の青紫色(ヨウ素デンプン反応)を示す。
【性質/用途】:淡青色、特異臭(オゾン臭)を持つ有毒気体。
A. \[ \text{ヨウ化カリウムデンプン紙を 青紫色 に変える} \]
Q.11 \[ \text{硫化水素 } \mathrm{H_2} \text{S の実験室的製法} \quad \mathrm{FeS} \text{ (硫化鉄(II))} \]
【反応機構】:弱酸の遊離反応。
【試薬/条件】:希硫酸または希塩酸を加える(常温)。
【性質/用途】:腐卵臭、有毒、無色。水に溶けて弱酸性を示し、強力な還元剤として働く。
A. \[ \mathrm{FeS + H_2SO_4(dil.) \longrightarrow FeSO_4 + H_2S} \]
Q.12 \[ \text{二酸化硫黄 } \mathrm{SO_2} \text{ の実験室的製法 (1)} \quad \mathrm{Na_2SO_3} \text{ (亜硫酸ナトリウム)} \]
【反応機構】:弱酸(亜硫酸)の遊離と、その後の分解。
【試薬/条件】:希硫酸を加える(常温)。
【性質/用途】:刺激臭、有毒。水によく溶け亜硫酸となるため、下方置換法で捕集する。
A. \[ \mathrm{Na_2SO_3 + H_2SO_4(dil.) \longrightarrow Na_2SO_4 + H_2O + SO_2} \]
Q.13 \[ \text{二酸化硫黄 } \mathrm{SO_2} \text{ の実験室的製法 (2)} \quad \mathrm{Cu} \text{ (銅板)} \]
【反応機構】:酸化還元反応(熱濃硫酸が酸化剤、銅が還元剤)。
【試薬/条件】:濃硫酸を加えて加熱する(熱濃硫酸)。
【着眼点】:イオン化傾向が小さい銅を無理やり酸化して溶かす強力な反応。
A. \[ \mathrm{Cu + 2H_2SO_4(conc.) \longrightarrow CuSO_4 + 2H_2O + SO_2} \]
Q.14 \[ \text{濃硫酸の性質分岐} \quad \text{吸湿作用 と 脱水作用} \]
【性質/用途】:乾燥剤としての利用は「吸湿作用」。化学反応での利用は「脱水作用」。
【着眼点】:スクロースに濃硫酸をかけると炭化して黒くなる現象は「脱水作用」の典型例。
【法則/注意】:希釈する際は、水に濃硫酸を少しずつ加え、熱を逃がしながら行う。
A. \[ \text{吸湿: 気体等の水分を吸収} \quad \text{脱水: 化合物から } \mathrm{H, O} \text{ を } 2:1 \text{ で奪う} \]
Q.15 \[ \text{窒素 } \mathrm{N_2} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{NH_4NO_2} \text{ (亜硝酸アンモニウム)} \]
【反応機構】:自己酸化還元(同一分子内の \[ \mathrm{N} \] が、酸化数 \[ -3 \] と \[ +3 \] から \[ 0 \] へ)。
【試薬/条件】:飽和水溶液を穏やかに加熱する。
【法則/注意】:実際には、不安定な \[ \mathrm{NH_4NO_2} \] を直接使わず、 \[ \mathrm{NH_4Cl} \] と \[ \mathrm{NaNO_2} \] の混合溶液を加熱して系内で発生させる。
A. \[ \mathrm{NH_4NO_2 \longrightarrow 2H_2O + N_2} \quad \text{(加熱条件)} \]
Q.16 \[ \text{アンモニア } \mathrm{NH_3} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{2NH_4Cl + Ca(OH)_2} \]
【反応機構】:弱塩基の遊離反応。
【試薬/条件】:塩化アンモニウムと消石灰を混ぜて加熱する。
【法則/注意】:乾燥には塩基性の「ソーダ石灰」を用いる。 \[ \mathrm{CaCl_2} \] はアンモニアと錯塩を作るため不可。
A. \[ \mathrm{CaCl_2 + 2H_2O + 2NH_3} \quad \text{(加熱条件)} \]
Q.17 \[ \text{一酸化窒素 } \mathrm{NO} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{3Cu + 8HNO_3(dil.)} \]
【反応機構】:酸化還元反応(希硝酸が酸化剤)。
【試薬/条件】:希硝酸を銅に加える(常温)。
【性質/用途】:空気に触れると直ちに酸化されて赤褐色の \[ \mathrm{NO_2} \] になるため、水上置換法で捕集する。
A. \[ \mathrm{3Cu(NO_3)_2 + 4H_2O + 2NO} \quad \text{(無色気体)} \]
Q.18 \[ \text{二酸化窒素 } \mathrm{NO_2} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{Cu + 4HNO_3(conc.)} \]
【反応機構】:酸化還元反応(濃硝酸が酸化剤)。
【試薬/条件】:濃硝酸を銅に加える(常温)。
【性質/用途】:刺激臭、有毒、赤褐色。水と反応して硝酸を生じるため、下方置換法で捕集する。
A. \[ \mathrm{Cu(NO_3)_2 + 2H_2O + 2NO_2} \quad \text{(赤褐色気体)} \]
Q.19 \[ \text{濃硝酸の分解反応} \quad \mathrm{4HNO_3} \quad \text{(光 または 加熱)} \]
【着眼点】:光や熱で容易に分解し、赤褐色の \[ \mathrm{NO_2} \] が溶け込む。
【性質/用途】:分解を防ぐため褐色瓶に入れ、冷暗所で保存する。
【呈色/沈殿】:古い濃硝酸が黄色みを帯びているのは、溶け込んだ \[ \mathrm{NO_2} \] の色による。
A. \[ \mathrm{4NO_2 + 2H_2O + O_2} \]
Q.20 \[ \text{黄リン と 赤リン} \quad \text{構造と毒性の分岐} \]
【性質/用途】:黄リンは空気中で自然発火するため、水中に保存する。赤リンはマッチの側薬に使用。
【着眼点】:黄リンは正四面体構造の分子で反応性が高く、赤リンは安定な高分子構造。
【法則/注意】:黄リンは二硫化炭素に溶けるが、赤リンは溶けない。
A. \[ \text{黄リン: } \mathrm{P_4} \text{ 分子、猛毒、自然発火 } / \text{ 赤リン: 網目状高分子、無毒} \]
Q.21 \[ \text{十酸化四リン} \quad \mathrm{4P + 5O_2} \]
【試薬/条件】:リンを空気中で燃焼させる。
【性質/用途】:酸性の強力な乾燥剤として利用。水と反応すると最終的にオルトリン酸 \[ \mathrm{H_3PO_4} \] になる。
【着眼点】:吸湿性が極めて高いため、強力な脱水剤としても機能する。
A. \[ \mathrm{P_4O_{10}} \quad \text{(白色粉末・強力な吸湿性)} \]
Q.22 \[ \text{一酸化炭素 } \mathrm{CO} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{HCOOH} \text{ (ギ酸)} \]
【反応機構】:濃硫酸による脱水反応。
【性質/用途】:無色、無臭、水に難溶。猛毒であり、空気中では青い炎を上げて燃え \[ \mathrm{CO_2} \] になる。
【着眼点】:高温で強力な還元剤として働き、鉄の製錬(溶鉱炉)などに用いられる。
A. \[ \mathrm{H_2O + CO} \quad \text{触媒: } \mathrm{H_2SO_4(conc.)} \text{ / 加熱} \]
Q.23 \[ \text{二酸化炭素 } \mathrm{CO_2} \text{ の実験室的製法} \quad \mathrm{CaCO_3} \text{ (石灰石)} \]
【反応機構】:弱酸の遊離反応。
【試薬/条件】:石灰石(大理石)に希塩酸を加える。
【法則/注意】:希硫酸を用いると、難溶性の \[ \mathrm{CaSO_4} \] が表面を覆い、反応が停止するため不適。
A. \[ \mathrm{CaCO_3 + 2HCl(dil.) \longrightarrow CaCl_2 + H_2O + CO_2} \]
Q.24 \[ \text{ケイ素 } \mathrm{Si} \text{ の単体生成} \quad \mathrm{SiO_2 + 2C} \]
【反応機構】:酸化還元反応(炭素による還元)。
【性質/用途】:ダイヤモンド構造の共有結合結晶。半導体の原料として極めて重要。
【着眼点】:金属光沢を持つが、電気抵抗が高い半金属的な性質を示す。
A. \[ \mathrm{Si + 2CO} \quad \text{(電気炉で高温加熱)} \]
Q.25 \[ \text{ケイ酸の加熱脱水} \quad \mathrm{Na_2SiO_3} \text{ (水ガラス) に塩酸を加える} \]
【反応機構】:弱酸の遊離反応。
【性質/用途】:多孔質構造を持ち、表面積が非常に大きいため、優れた吸湿剤・吸着剤として機能する。
【呈色/沈殿】:水ガラスに塩酸を加えると、白色ゲル状のケイ酸が沈殿する。
A. \[ \text{ケイ酸 } \mathrm{H_2SiO_3} \text{ の沈殿 } \implies \text{ 乾燥させて シリカゲル} \]
Q.26 \[ \text{非金属酸化物の水溶液} \quad \mathrm{CO_2, SO_2, NO_2} \]
【着眼点】:非金属の酸化物は水と反応してオキソ酸を生じ、酸性を示すものが多い。
【法則/注意】: \[ \mathrm{CO} \] や \[ \mathrm{NO} \] は水にほとんど溶けず、酸とも塩基とも反応しない「中性酸化物」である。
【性質/用途】:酸性酸化物は塩基と反応して塩を作る。
A. \[ \text{すべて 酸性 を示す (酸性酸化物)} \]
Q.27 \[ \text{酸性乾燥剤で乾燥できない気体} \quad \mathrm{P_4O_{10}} \text{ や 濃} \mathrm{H_2SO_4} \]
【法則/注意】:気体と乾燥剤が反応してはならない。
【着眼点】:塩基性の \[ \mathrm{NH_3} \] には、塩基性乾燥剤である「ソーダ石灰」を用いる。
【性質/用途】:中和反応により、目的の気体が失われてしまうのを防ぐための基本原則。
A. \[ \mathrm{NH_3} \quad \text{(塩基性気体であるため中和反応する)} \]
Q.28 \[ \text{濃硫酸で乾燥できない酸性気体} \quad \text{中和反応以外の阻害要因} \]
【反応機構】:酸化還元反応(濃硫酸による \[ \mathrm{H_2S} \] の酸化)。
【着眼点】:同じ酸性であっても、酸化還元反応が起きる組み合わせは不可。
【法則/注意】:硫化水素の乾燥には、酸性で酸化力のない \[ \mathrm{P_4O_{10}} \] 等を用いる。
A. \[ \mathrm{H_2S} \quad \text{(還元剤であり濃硫酸によって酸化されるため)} \]
Q.29 \[ \text{中性乾燥剤 } \mathrm{CaCl_2} \text{ で乾燥できない気体} \]
【法則/注意】:中性乾燥剤であっても、特定の気体と結合する場合は使用できない。
【着眼点】:塩化カルシウムは多くの気体に使える万能型だが、アンモニアだけは吸収してしまう。
【性質/用途】:アンモニアの乾燥はソーダ石灰一択、と覚えるのが効率的。
A. \[ \mathrm{NH_3} \quad \text{(付加化合物 } \mathrm{CaCl_2\cdot 8NH_3} \text{ を形成するため)} \]
Q.30 \[ \text{下方置換法で捕集する気体の条件と具体例} \]
【着眼点】:空気の平均分子量(約28.8)より大きい分子量を持ち、かつ水上置換できないもの。
【法則/注意】:アンモニア(分子量17)は空気より軽いため、上方置換法で捕集する。
【性質/用途】:水に溶けにくい気体( \[ \mathrm{H_2, O_2, N_2, NO, CO, CH_4} \] )は、純度が高く保てる水上置換法が最適。
A. \[ \text{水に溶けやすく、空気より重い } ( \mathrm{Cl_2, HCl, SO_2, NO_2} ) \]
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムや亜鉛(両性元素)などの性質を扱います。
炎色反応や沈殿の色に加え、「どの試薬(酸・塩基・アンモニア)に溶けるか」という溶解性の分岐がポイントです。
Q.31 \[ \text{ナトリウムと水} \quad \mathrm{2Na + 2H_2O} \]
【反応機構】:酸化還元反応(水から水素を還元遊離)。
【試薬/条件】:空気中の水分や酸素と反応するため、灯油中に保存する。
【性質/用途】:密度が水より小さいため浮き、反応熱で溶けて球状になり水面を走り回る。
A. \[ \mathrm{2NaOH + H_2} \quad \text{(常温で激しく反応)} \]
Q.32 \[ \text{炎色反応 (1)} \quad \mathrm{Li, Na, K} \text{ の呈色} \]
【試薬/条件】:白金線に試料をつけ、ガスバーナーの外炎(無色の炎)に入れる。
【呈色/沈殿】:Li:赤、Na:黄、K:赤紫。
【法則/注意】:リアカー(Li赤)なき(Na黄)K村(K紫)と覚える。
A. \[ \mathrm{Li} \text{ (赤) } / \mathrm{Na} \text{ (黄) } / \mathrm{K} \text{ (赤紫)} \]
Q.33 \[ \text{炎色反応 (2)} \quad \mathrm{Ca, Sr, Ba, Cu} \text{ の呈色} \]
【呈色/沈殿】:Ca:橙赤、Sr:紅、Ba:黄緑、Cu:青緑。
【法則/注意】:動力(Cu緑)借りよう(Ca橙)とする(Sr紅)馬力(Ba緑)。
【着眼点】:MgやBeは炎色反応を示さないため、アルカリ土類金属の識別に有効。
A. \[ \mathrm{Ca} \text{ (橙赤) } / \mathrm{Sr} \text{ (紅) } / \mathrm{Ba} \text{ (黄緑) } / \mathrm{Cu} \text{ (青緑)} \]
Q.34 \[ \text{水酸化ナトリウムの性質分岐} \quad \text{潮解性 と 風解性} \]
【性質/用途】: \[ \mathrm{NaOH} \] は潮解性を持つ。また、二酸化炭素を吸収して \[ \mathrm{Na_2CO_3} \] になる。
【着眼点】:風解性は、結晶水を持つ塩( \[ \mathrm{Na_2CO_3\cdot 10H_2O} \] など)が乾燥した空気中で自然に水分を失う現象。
【法則/注意】:試薬瓶の口を密閉して保存する必要がある。
A. \[ \text{潮解: 水分を吸って溶ける (NaOH)} \quad \text{風解: 水を失い粉末になる} \]
Q.35 \[ \text{石灰水と二酸化炭素 (少量)} \quad \mathrm{Ca(OH)_2 + CO_2} \]
【反応機構】:酸性酸化物( \[ \mathrm{CO_2} \] )と塩基( \[ \mathrm{Ca(OH)_2} \] )の中和反応。
【呈色/沈殿】:水に難溶な炭酸カルシウムが生成し、白色に濁る。
【性質/用途】:二酸化炭素の標準的な検出方法。
A. \[ \mathrm{CaCO_3} \text{ (白色沈殿) } + \mathrm{H_2O} \]
Q.36 \[ \text{白濁した石灰水に過剰の } \mathrm{CO_2} \quad \mathrm{CaCO_3 + CO_2 + H_2O} \]
【反応機構】:正塩から酸性塩への変化。
【着眼点】:溶解度の大きい炭酸水素カルシウムになるため、溶液は透明に戻る。
【性質/用途】:鍾乳洞の形成原理。この溶液を加熱すると、逆反応が起きて再び白濁する。
A. \[ \mathrm{Ca(HCO_3)_2} \quad \text{(炭酸水素カルシウムとして溶解)} \]
Q.37 \[ \text{沈殿生成分岐} \quad \mathrm{Ca^{2+}, Ba^{2+}} \text{ に 硫酸イオン } \mathrm{SO_4^{2-}} \]
【呈色/沈殿】:いずれも白色沈殿。
【法則/注意】:アルカリ土類金属(Ca, Sr, Ba)の硫酸塩・炭酸塩はすべて水に難溶。
【性質/用途】: \[ \mathrm{BaSO_4} \] はX線造影剤として利用される。水や酸に不溶のため、毒性のあるBaイオンが溶け出さない。
A. \[ \mathrm{CaSO_4} \text{ (白) } / \mathrm{BaSO_4} \text{ (白・酸にも不溶)} \]
Q.38 \[ \text{両性元素の反応 (1)} \quad \mathrm{Al^{3+}} \text{ に 少量の } \mathrm{NaOH} \text{ 水溶液} \]
【反応機構】:水酸化物の生成。
【呈色/沈殿】:白色ゲル状の沈殿。
【着眼点】: \[ \mathrm{Zn^{2+}, Sn^{2+}, Pb^{2+}} \] も同様に少量の塩基で白色沈殿を生じる(両性元素)。
A. \[ \mathrm{Al(OH)_3} \quad \text{(白色ゲル状沈殿)} \]
Q.39 \[ \text{両性元素の反応 (2)} \quad \mathrm{Al(OH)_3} \text{ に 過剰の } \mathrm{NaOH} \text{ 水溶液} \]
【反応機構】:錯イオン形成による溶解。
【着眼点】:両性元素は、強塩基と反応して水溶性の錯イオンを作る。
【法則/注意】:ああ(Al)すんなり(Sn, Pb)と亜鉛(Zn)は、酸にも強塩基にも溶けると覚える。
A. \[ \mathrm{[Al(OH)_4]^-} \quad \text{(テトラヒドロキシドアルミン酸イオン・無色)} \]
Q.40 \[ \text{試薬による溶解分岐} \quad \mathrm{Al(OH)_3} \text{ と } \mathrm{Zn(OH)_2} \text{ に過剰の } \mathrm{NH_3} \text{ 水} \]
【法則/注意】:アンモニア水で溶けるのは「銀、銅、亜鉛、ニッケル」のみ。
【着眼点】:アルミニウムは両性元素だが、弱塩基であるアンモニア水には溶けない。
【反応機構】:亜鉛はテトラアンミン亜鉛(II)イオン \[ \mathrm{[Zn(NH_3)_4]^{2+}} \] となり溶解する。
A. \[ \mathrm{Al(OH)_3} \text{ : 溶けない } / \mathrm{Zn(OH)_2} \text{ : 溶解する} \]
Q.41 \[ \text{アルミニウム単体と強塩基} \quad \mathrm{2Al + 2NaOH + 6H_2O} \]
【反応機構】:酸化還元反応(塩基性条件下での還元遊離)。
【着眼点】:酸だけでなく、強塩基にも溶けて水素を発生させるのが両性金属の特徴。
【性質/用途】:アルミニウム箔を強塩基で溶かす実験などで確認できる。
A. \[ \mathrm{2Na[Al(OH)_4] + 3H_2} \quad \text{(水素が発生)} \]
Q.42 \[ \text{複塩の代表例} \quad \text{カリウムミョウバン } \mathrm{AlK(SO_4)_2\cdot 12H_2O} \]
【性質/用途】:2種類の塩が結合した「複塩」。水に溶けると各成分イオンに完全に電離する。
【着眼点】:水溶液が弱酸性なのは、 \[ \mathrm{Al^{3+}} \] が加水分解して \[ \mathrm{H^+} \] を放出するため。
【法則/注意】:大きな正八面体の結晶を作りやすい。
A. \[ \text{水溶液は 弱酸性 を示す} \]
Q.43 \[ \text{鉛イオンの沈殿確認} \quad \mathrm{Pb^{2+}} \text{ に 塩酸 または 沸騰水} \]
【呈色/沈殿】:塩化物イオンで白色沈殿を生じる。
【試薬/条件】:冷水には難溶だが、熱水にはよく溶ける。
【着眼点】:系統分離において、同じく白色沈殿を作る \[ \mathrm{AgCl} \] と分離する際にこの性質を利用する。
A. \[ \mathrm{PbCl_2} \text{ (白) は、熱水に溶ける} \]
Q.44 \[ \text{鉛イオン } \mathrm{Pb^{2+}} \text{ の沈殿色分岐} \quad \mathrm{SO_4^{2-}} \text{ と } \mathrm{CrO_4^{2-}} \]
【呈色/沈殿】:硫酸塩:白、クロム酸塩:鮮黄色。
【法則/注意】:鉛の塩は難溶性のものが非常に多い(塩化物:白、ヨウ化物:黄、硫化物:黒)。
【着眼点】: \[ \mathrm{PbI_2} \] (黄色)も熱水に溶け、冷却すると美しい結晶が析出する(黄金の雨)。
A. \[ \mathrm{PbSO_4} \text{ (白) } / \mathrm{PbCrO_4} \text{ (黄)} \]
Q.45 \[ \text{不動態の形成} \quad \text{濃硝酸に入れても溶けない金属} \]
【法則/注意】:手(Fe)に(Ni)ある(Al)不動態、と覚える。
【着眼点】:表面に緻密な酸化皮膜ができるため、内部まで反応が進行しなくなる。
【性質/用途】:この性質を利用して、鉄やアルミニウムの容器で濃硝酸を運搬・貯蔵できる。
A. \[ \mathrm{Fe, Al, Ni} \quad \text{(表面に酸化皮膜を形成)} \]
Q.46 \[ \text{アルミニウムの製錬} \quad \text{ホール・エルー法での添加剤} \]
【試薬/条件】:アルミナの融点(約2050℃)を、氷晶石を加えることで約950℃まで下げて電解する。
【反応機構】:融解塩電解。
【法則/注意】:炭素電極が酸化されて \[ \mathrm{CO, CO_2} \] となり、徐々に消耗するため交換が必要。
A. \[ \text{氷晶石 } \mathrm{Na_3AlF_6} \text{ を加えて融点を下げる} \]
Q.47 \[ \text{スズの性質} \quad \mathrm{Sn^{2+}} \text{ (スズ(II)イオン)} \]
【反応機構】:酸化還元反応。
【着眼点】:スズは酸化数 \[ +2 \] より \[ +4 \] の方が安定なため、相手を還元する力が強い。
【性質/用途】:塩化スズ(II)水溶液は、実験室で強力な還元剤として利用される。
A. \[ \text{還元剤 として働き、自身は } \mathrm{Sn^{4+}} \text{ になる} \]
Q.48 \[ \text{亜鉛の用途と反応} \quad \text{トタンの構造 と 希酸への溶解} \]
【性質/用途】:トタンは亜鉛のイオン化傾向が鉄より大きいことを利用し、鉄の腐食を防ぐ。
【着眼点】:ブリキ(鉄にスズをめっき)は、傷がつくと鉄が先に腐食するため対照的。
【反応機構】:乾電池の負極材料としても重要。
A. \[ \text{トタン: 鉄板に亜鉛をめっき } / \mathrm{Zn + 2H^+ \longrightarrow Zn^{2+} + H_2} \]
Q.49 \[ \text{マグネシウムの酸化力} \quad \mathrm{2Mg + CO_2} \]
【反応機構】:酸化還元反応(強力な還元剤としてのMg)。
【呈色/沈殿】:白い光を放って燃え、黒い炭素の粒が析出する。
【法則/注意】:マグネシウム火災には二酸化炭素消火器は使えず、乾燥砂を用いる必要がある。
A. \[ \mathrm{2MgO + C} \quad \text{(激しい燃焼・黒色粉末析出)} \]
Q.50 \[ \text{水への溶解性分岐} \quad \mathrm{Mg} \text{ と } \mathrm{Ca} \text{ の単体および硫酸塩} \]
【着眼点】:Mgは2族元素だが、アルカリ土類金属(Ca以降)とは性質が大きく異なる。
【法則/注意】:Be, Mgはアルカリ土類金属には含めない。
【試薬/条件】:Mg単体は常温の冷水とは反応しにくいが、熱水とは激しく反応して水素を出す。
A. \[ \text{単体+水: Mgは熱水, Caは冷水 } / \text{ 硫酸塩: Mgは可溶, Caは難溶} \]
鉄、銅、銀、クロム、マンガンなどの特徴的な反応を整理します。
遷移元素特有の「多様な酸化数による色の変化」と「錯イオンの立体構造」を視覚的にイメージしながら確認してください。
Q.51 \[ \text{鉄イオンの沈殿分岐} \quad \mathrm{Fe^{2+}} \text{ と } \mathrm{Fe^{3+}} \text{ に } \mathrm{NaOH} \text{ 水溶液} \]
【呈色/沈殿】: \[ \mathrm{Fe^{2+}} \] :緑白色沈殿、 \[ \mathrm{Fe^{3+}} \] :赤褐色沈殿。
【法則/注意】:緑白色の \[ \mathrm{Fe(OH)_2} \] は空気中の酸素で速やかに酸化され、赤褐色の \[ \mathrm{Fe(OH)_3} \] に変化する。
【反応機構】:中和による水酸化物の生成。
A. \[ \mathrm{Fe(OH)_2} \text{ (緑白色) } / \mathrm{Fe(OH)_3} \text{ (赤褐色)} \]
Q.52 \[ \text{鉄イオンの呈色確認 (1)} \quad \mathrm{Fe^{2+}} \text{ に } \mathrm{K_3[Fe(CN)_6]} \text{ / } \mathrm{Fe^{3+}} \text{ に } \mathrm{K_4[Fe(CN)_6]} \]
【呈色/沈殿】:濃青色沈殿。
【試薬/条件】:酸化数の異なる組み合わせ(+2に+3、または+3に+2の試薬)で滴下する。
【法則/注意】:同じ酸化数同士(+2に+2、+3に+3)では、この濃青色沈殿は生じない点に注意。
A. \[ \text{いずれも 濃青色沈殿 (紺青・ターンブルブルー) を生じる} \]
Q.53 \[ \text{鉄イオンの呈色確認 (2)} \quad \mathrm{Fe^{3+}} \text{ に チオシアン酸カリウム } \mathrm{KSCN} \]
【呈色/沈殿】:血赤色の溶液(沈殿ではない)。
【着眼点】: \[ \mathrm{Fe^{2+}} \] は反応しないため、微量の \[ \mathrm{Fe^{3+}} \] を検出する極めて鋭敏な反応として利用される。
【反応機構】:可溶性の錯イオン \[ \mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}} \] などの生成。
A. \[ \text{血赤色 溶液 となる} \]
Q.54 \[ \text{銅イオンとアンモニア} \quad \mathrm{Cu^{2+}} \text{ に少量の } \mathrm{NH_3} \text{、続いて過剰量} \]
【呈色/沈殿】:青白色沈殿(水酸化物)→ 深青色溶液(テトラアンミン銅(II)イオン)。
【着眼点】:配位子のアンモニアが過剰になると、沈殿が溶けて錯イオンに変化する。
【性質/用途】:この錯イオンは正方形の立体配置をとる。
A. \[ \text{青白色沈殿 } \mathrm{Cu(OH)_2} \implies \text{ 深青色溶液 } \mathrm{[Cu(NH_3)_4]^{2+}} \]
Q.55 \[ \text{銀イオンとアンモニア} \quad \mathrm{Ag^+} \text{ に少量の } \mathrm{NH_3} \text{、続いて過剰量} \]
【呈色/沈殿】:褐色沈殿(酸化銀)→ 無色溶液(ジアンミン銀(I)イオン)。
【法則/注意】:銀の水酸化物は不安定ですぐに脱水されるため、少量の塩基で酸化物 \[ \mathrm{Ag_2O} \] が沈殿する。
【性質/用途】:この錯イオンは直線形の立体配置をとる。
A. \[ \text{褐色沈殿 } \mathrm{Ag_2O} \implies \text{ 無色溶液 } \mathrm{[Ag(NH_3)_2]^+} \]
Q.56 \[ \text{銀イオン } \mathrm{Ag^+} \text{ とハロゲン化物イオンの沈殿色} \quad \mathrm{Cl^-, Br^-, I^-} \]
【呈色/沈殿】:塩化銀:白、臭化銀:淡黄、ヨウ化銀:黄。
【性質/用途】:光によって分解して銀を析出する(感光性)。写真フィルムの感光材に利用される。
【法則/注意】:フッ化銀 \[ \mathrm{AgF} \] は水に可溶なため沈殿しない。
A. \[ \mathrm{AgCl} \text{ (白) } / \mathrm{AgBr} \text{ (淡黄) } / \mathrm{AgI} \text{ (黄)} \]
Q.57 \[ \text{銀イオンとクロム酸イオン} \quad \mathrm{2Ag^+ + CrO_4^{2-}} \]
【呈色/沈殿】:赤褐色沈殿。
【性質/用途】:銀滴定(モール法)において、終点を示す指示薬として利用される。
【着眼点】:塩化物イオンがすべて反応し終わった直後、わずかな過剰の銀イオンと反応して赤褐色を呈する。
A. \[ \mathrm{Ag_2CrO_4} \quad \text{(赤褐色沈殿)} \]
Q.58 \[ \text{クロム(VI)酸イオンの平衡移動} \quad \mathrm{2CrO_4^{2-} + 2H^+ \rightleftharpoons Cr_2O_7^{2-} + H_2O} \]
【呈色/沈殿】:酸性(二クロム酸イオン):赤橙色、塩基性(クロム酸イオン):黄色。
【法則/注意】:色が劇的に変化するが、クロムの酸化数はどちらも \[ +6 \] のままであり、酸化還元反応ではない点に注意。
【着眼点】:水素イオン濃度の増減によるル・シャトリエの原理の典型例。
A. \[ \text{酸性で 赤橙色 } / \text{塩基性で 黄色} \]
Q.59 \[ \text{クロム酸イオン } \mathrm{CrO_4^{2-}} \text{ の沈殿色分岐} \quad \mathrm{Ba^{2+}, Pb^{2+}, Ag^+} \]
【呈色/沈殿】:Ba:黄、Pb:黄、Ag:赤褐色。
【法則/注意】:黄色いバ(Ba)ラ(Pb)と赤茶色の銀(Ag)貨、と覚える。
【着眼点】:これら以外の金属イオン(Caなど)のクロム酸塩は水に可溶。
A. \[ \mathrm{BaCrO_4} \text{ (黄) } / \mathrm{PbCrO_4} \text{ (黄) } / \mathrm{Ag_2CrO_4} \text{ (赤褐色)} \]
Q.60 \[ \text{マンガン化合物の色と酸化数} \quad \mathrm{MnO_4^-, MnO_4^{2-}, MnO_2, Mn^{2+}} \]
【呈色/沈殿】:+7:赤紫、+6:緑、+4:黒褐、+2:淡桃。
【着眼点】:過マンガン酸イオン \[ \mathrm{MnO_4^-} \] は酸性条件で強力な酸化剤として働き、赤紫色が消えることで反応の終点を確認できる。
【性質/用途】:酸化マンガン(IV) \[ \mathrm{MnO_2} \] は触媒としても多用される。
A. \[ +7 \text{ (赤紫) } / +6 \text{ (緑) } / +4 \text{ (黒褐色) } / +2 \text{ (淡桃・ほぼ無色)} \]
Q.61 \[ \text{錯イオンの立体構造分岐} \quad \text{配位数 } 2, 4, 6 \text{ の代表的な形} \]
【着眼点】:配位2:直線(銀など)、配位4:正四面体(亜鉛など)または正方形(銅など)、配位6:正八面体(鉄など)。
【法則/注意】:銅(II)錯イオンは平面正方形構造をとる特殊なケースとして頻出。
【性質/用途】:錯イオンの形は中心金属の種類と配位数によって決まる。
A. \[ \text{配位2: 直線 } / \text{配位4: 正四面体 または 正方形 } / \text{配位6: 正八面体} \]
Q.62 \[ \text{水の検出反応} \quad \mathrm{CuSO_4\cdot 5H_2O} \text{ の加熱 と 水の滴下} \]
【呈色/沈殿】:五水和物(結晶):青色、無水物(粉末):白色。
【試薬/条件】:約250℃以上で完全に結晶水を失う。
【性質/用途】:微量の水分に触れると鋭敏に青色へ変わるため、有機溶媒中の水分検出に用いられる。
A. \[ \text{加熱で 青色結晶 } \to \text{ 白色粉末 } \implies \text{ 水で 青色 に戻る} \]
Q.63 \[ \text{銅の酸化物の色分岐} \quad \mathrm{Cu_2O} \text{ と } \mathrm{CuO} \]
【呈色/沈殿】:酸化銅(I):赤色、酸化銅(II):黒色。
【着眼点】:フェーリング反応で生じる沈殿は赤色の \[ \mathrm{Cu_2O} \] 。銅板を空気中で加熱して表面にできるのが黒色の \[ \mathrm{CuO} \] 。
【反応機構】:酸化還元反応の文脈でよく登場する。
A. \[ \mathrm{Cu_2O} \text{ : 赤色 } / \mathrm{CuO} \text{ : 黒色} \]
Q.64 \[ \text{ハロゲン化銀の定着反応} \quad \mathrm{AgBr + 2Na_2S_2O_3} \]
【性質/用途】:写真現像における「定着」処理。未感光の臭化銀を溶かし出す。
【反応機構】:配位子置換反応による水溶性錯イオンの生成。
【着眼点】:非常に安定な錯イオンを作るため、水に難溶な銀塩を溶かすことができる。
A. \[ \mathrm{Na_3[Ag(S_2O_3)_2] + NaBr} \quad \text{(無色)} \]
Q.65 \[ \text{遷移元素の特徴} \quad \text{物性と電子配置} \]
【着眼点】:最外殻ではなく、内側のd軌道に電子が順次詰まっていく。
【法則/注意】:最外殻電子数が1〜2個で一定のため、同周期で隣り合う元素同士の性質がよく似ている。
【性質/用途】:多くの遷移金属やその化合物は触媒として利用される。
A. \[ \text{すべて金属、高融点・高密度、複数の酸化数、有色イオン、錯形成しやすい} \]
接触法、オストワルト法、アンモニアソーダ法、鉄や銅の製錬といったスケールの大きな化学反応を扱います。
複雑な工程も、「そのステップで何の反応(酸化・熱分解など)を起こしているか」に注目すると全体像が見えてきます。
Q.66 \[ \text{硫酸の工業的製法 (接触法)} \quad \mathrm{2SO_2 + O_2} \]
【試薬/条件】:触媒に酸化バナジウム(V)を用い、約500℃で反応させる。
【着眼点】:生じた \[ \mathrm{SO_3} \] を直接水に加えると激しく発熱して霧状になり回収困難なため、一度濃硫酸に吸収させて「発煙硫酸」としてから希釈する。
【性質/用途】:肥料、薬品、蓄電池など化学工業で最も多用される酸。
A. \[ \mathrm{2SO_3} \quad \text{触媒: } \mathrm{V_2O_5} \]
Q.67 \[ \text{硝酸の工業的製法 (オストワルト法)} \quad \mathrm{4NH_3 + 5O_2} \]
【試薬/条件】:白金(Pt)網を触媒とし、約800℃でアンモニアを酸化する。
【着眼点】:全3段階の反応を経て硝酸を得る。最終段階で生じた \[ \mathrm{NO} \] は最初の工程へ循環させて再利用する。
【法則/注意】:アンモニアの窒素(酸化数-3)を、一気に硝酸(+5)まで酸化するプロセス。
A. \[ \mathrm{4NO + 6H_2O} \quad \text{触媒: } \mathrm{Pt} \]
Q.68 \[ \text{炭酸ナトリウムの製法 (1)} \quad \mathrm{NaCl + H_2O + NH_3 + CO_2} \]
【試薬/条件】:飽和食塩水にまずアンモニアを十分に溶かし、次に二酸化炭素を通じる。
【着眼点】:アンモニアを先に溶かして溶液を塩基性にすることで、二酸化炭素の溶解量を増やし反応を促進させる。
【呈色/沈殿】:溶解度の比較的小さい炭酸水素ナトリウムが白色沈殿として析出する。
A. \[ \mathrm{NaHCO_3} \text{ (沈殿) } + \mathrm{NH_4Cl} \]
Q.69 \[ \text{炭酸ナトリウムの製法 (2)} \quad \mathrm{2NaHCO_3} \text{ の加熱} \]
【反応機構】:炭酸水素塩の熱分解。
【性質/用途】:目的物の炭酸ナトリウムを得る工程。発生した二酸化炭素は回収し、最初の工程で再利用する。
【法則/注意】:副生成物の \[ \mathrm{NH_4Cl} \] からもアンモニアを回収するため、外部から補給するのは食塩と石灰石のみで済む極めて効率的な製法。
A. \[ \mathrm{Na_2CO_3 + H_2O + CO_2} \]
Q.70 \[ \text{アンモニアの工業的製法} \quad \mathrm{N_2 + 3H_2} \]
【試薬/条件】:約500℃、200〜500気圧の高圧下で行う。
【着眼点】:ル・シャトリエの原理からは低温・高圧が有利だが、反応速度を実用レベルにするため触媒と適度な高温を用いる。
【性質/用途】:空気中の窒素を固定する、人類の食糧生産を支える極めて重要な製法。
A. \[ \mathrm{2NH_3} \quad \text{触媒: } \mathrm{Fe_3O_4} \text{ (鉄触媒)} \]
Q.71 \[ \text{系統分離ステップ (1)} \quad \text{混合液に 希塩酸 } \mathrm{HCl} \text{ を加える} \]
【呈色/沈殿】:いずれも白色沈殿。
【着眼点】:沈殿をろ別して熱湯をかけると、 \[ \mathrm{PbCl_2} \] だけが溶解してろ液に移動するため、銀と鉛を分離できる。
【法則/注意】:希塩酸を加える際、過剰に加えると錯イオンを作って再溶解する場合がある。
A. \[ \mathrm{AgCl} \text{ (白) と } \mathrm{PbCl_2} \text{ (白) が沈殿} \]
Q.72 \[ \text{系統分離ステップ (2)} \quad \text{塩酸酸性のろ液に 硫化水素 } \mathrm{H_2S} \text{ を通じる} \]
【法則/注意】:酸性条件下では \[ \mathrm{S^{2-}} \] 濃度が極めて低くなる。
【着眼点】:イオン積が非常に小さく、極低濃度の \[ \mathrm{S^{2-}} \] でも溶解度積を超えて沈殿する「極難溶性」の硫化物のみを析出させる工程。
【呈色/沈殿】:カドミウムのみ黄色い硫化物を生じる。
A. \[ \mathrm{CuS} \text{ (黒), PbS (黒), CdS (黄) などが沈殿} \]
Q.73 \[ \text{系統分離ステップ (3)} \quad \text{ろ液に } \mathrm{HNO_3} \text{ 加熱、続いて } \mathrm{NH_4Cl} \text{ と過剰の } \mathrm{NH_3} \]
【試薬/条件】:硝酸を加えて煮沸するのは、 \[ \mathrm{Fe^{2+}} \] を確実に \[ \mathrm{Fe^{3+}} \] に酸化して完全に沈殿させるため。
【法則/注意】: \[ \mathrm{NH_4Cl} \] は緩衝作用により \[ \mathrm{OH^-} \] 濃度を抑え、後段のマグネシウムなどの沈殿を防ぐ。
【着眼点】:亜鉛などは過剰アンモニアで錯イオンとなるため、ここでは沈殿しない。
A. \[ \mathrm{Fe(OH)_3} \text{ (赤褐色) と } \mathrm{Al(OH)_3} \text{ (白) が沈殿} \]
Q.74 \[ \text{系統分離ステップ (4)} \quad \text{塩基性のろ液に 硫化水素 } \mathrm{H_2S} \text{ を通じる} \]
【法則/注意】:塩基性条件下では \[ \mathrm{H_2S} \] が十分に電離し、 \[ \mathrm{S^{2-}} \] 濃度が高くなる。
【着眼点】:酸性下では沈殿できなかった、中程度の溶解度を持つ硫化物も一気に沈殿させる。
【呈色/沈殿】: \[ \mathrm{ZnS} \] は唯一の白色硫化物、 \[ \mathrm{MnS} \] は特有の淡桃色(肉色)を示す。
A. \[ \mathrm{ZnS} \text{ (白), MnS (淡桃), NiS (黒), FeS (黒) が沈殿} \]
Q.75 \[ \text{系統分離ステップ (5)} \quad \text{ろ液に 炭酸アンモニウム } \mathrm{(NH_4)_2CO_3} \text{ 水溶液} \]
【呈色/沈殿】:アルカリ土類金属の白色炭酸塩沈殿。
【着眼点】:沈殿をろ別後、酢酸で溶かしてクロム酸カリウムを加えることで、バリウム(黄沈殿)とカルシウム(溶存)を分離できる。
【法則/注意】:最後まで沈殿せず残るのはアルカリ金属(Na, Kなど)。これらは炎色反応で確認する。
A. \[ \mathrm{CaCO_3} \text{ (白) と } \mathrm{BaCO_3} \text{ (白) が沈殿} \]
Q.76 \[ \text{溶鉱炉内の反応} \quad \text{コークス } \mathrm{C} \text{ と熱風から生じる主たる還元剤} \]
【反応機構】:酸化還元反応(コークスの不完全燃焼)。
【着眼点】:コークスが燃焼して生じた \[ \mathrm{CO_2} \] が、高温のコークスとさらに反応して還元性の強い \[ \mathrm{CO} \] になる。
【性質/用途】:上昇する \[ \mathrm{CO} \] ガスが、鉄鉱石を下から順次還元していく。
A. \[ \text{一酸化炭素 } \mathrm{CO} \]
Q.77 \[ \text{溶鉱炉内の反応} \quad \text{石灰石 } \mathrm{CaCO_3} \text{ の役割} \]
【反応機構】:酸性酸化物( \[ \mathrm{SiO_2} \] )と塩基性酸化物( \[ \mathrm{CaO} \] )の反応。
【着眼点】:石灰石が熱分解してできた \[ \mathrm{CaO} \] が、鉱石中の岩石成分(砂など)を溶かし出し、液状のスラグにする。
【性質/用途】:スラグは鉄より密度が小さいため、液状の鉄の上に浮かび、容易に分離できる。
A. \[ \text{不純物 } \mathrm{SiO_2} \text{ を スラグ として分離除去する} \]
Q.78 \[ \text{鉄の性質分岐} \quad \text{溶鉱炉から出た 銑鉄 と 転炉で処理した 鋼} \]
【着眼点】:銑鉄に含まれる約4%の炭素を、転炉で酸素を吹き込んで燃焼除去(約2%以下)することで「鋼」にする。
【性質/用途】:鋼は強靭で延性・展性に富むため、建築、自動車、鉄道などの構造材として広く使われる。
【法則/注意】:炭素量が多いほど硬くなるが、衝撃に対して脆くなる性質がある。
A. \[ \text{銑鉄: 炭素多め・硬くて脆い } / \text{ 鋼: 炭素少なめ・強靭で粘りがある} \]
Q.79 \[ \text{銅の製錬ステップ} \quad \text{黄銅鉱 } \mathrm{CuFeS_2} \text{ を処理して得られる物質} \]
【着眼点】:黄銅鉱を焼いて硫化物とし、さらに自己酸化還元反応などを経て、純度99%程度の粗銅を得る。
【性質/用途】:粗銅には不純物(金、銀、鉄など)が含まれるため、さらに電解精錬を行って純度99.99%以上の「純銅」にする。
【法則/注意】:副生する二酸化硫黄は、接触法の原料として回収される。
A. \[ \text{純度約 99\% の 粗銅 (そどう)} \]
Q.80 \[ \text{未知イオンの特定} \quad \text{塩酸で白沈殿、過剰アンモニアで無色溶解、硫化水素で黒沈殿} \]
【着眼点】:1. 塩酸で白沈殿(Ag, Pb)→ 2. 過剰アンモニアで溶解(Ag)→ 3. 硫化水素で黒沈殿( \[ \mathrm{Ag_2S} \] )という論理パズル。
【法則/注意】:鉛イオン(Pb)は過剰アンモニアでは溶けず、白色沈殿のまま残るため、ここで明確に区別できる。
【呈色/沈殿】:銀の硫化物 \[ \mathrm{Ag_2S} \] は代表的な黒色沈殿。
A. \[ \mathrm{Ag^+} \text{ (銀イオン)} \]
混合水溶液から特定のイオンを分離・確認する手順です。
試薬を加える順番には意味があります。「なぜそのタイミングで硫化水素を通じるのか」など、分離の論理を追いかけましょう。
Q.81 \[ \text{褐色環反応} \quad \mathrm{NO_3^-} \text{ の検出} \]
【呈色/沈殿】:褐色の環(錯体 \[ \mathrm{[Fe(NO)]^{2+}} \] による)。
【試薬/条件】:試料に硫酸鉄(II)水溶液を混ぜ、試験管を傾けて濃硫酸を静かに加える。
【法則/注意】:試験管を振ると熱が発生し、褐色環が消えてしまうため注意が必要。
A. \[ \text{濃硫酸との境界に 褐色 の環が生じる} \]
Q.82 \[ \text{ネスラー試薬} \quad \mathrm{NH_3} \text{ との反応} \]
【呈色/沈殿】:赤褐色沈殿。
【着眼点】:微量のアンモニアを検出できる非常に鋭敏な試薬。
【性質/用途】:環境水のアンモニア態窒素の定量などに利用される。
A. \[ \text{赤褐色沈殿 (または 黄褐色溶液) を生じる} \]
Q.83 \[ \text{フェノール類による検出} \quad \mathrm{Fe^{3+}} \text{ との呈色} \]
【呈色/沈殿】:紫色溶液。
【着眼点】:有機化学の範囲(フェノール類)との境界知識。 \[ \mathrm{Fe^{3+}} \] 特有の反応で、 \[ \mathrm{Fe^{2+}} \] では呈色しない。
【法則/注意】:沈殿ではなく、錯体形成による呈色である。
A. \[ \text{紫色 の呈色を示す} \]
Q.84 \[ \text{硫酸イオン } \mathrm{SO_4^{2-}} \text{ に塩化バリウム水溶液} \]
【呈色/沈殿】:白色沈殿。
【着眼点】:硫酸バリウムは水にも、塩酸や硝酸などの強酸にも溶けない極めて安定な沈殿。
【法則/注意】:炭酸バリウムも白色沈殿だが、こちらは酸を加えると二酸化炭素を出して溶けるため区別できる。
A. \[ \mathrm{BaSO_4} \quad \text{(白色沈殿・酸に不溶)} \]
Q.85 \[ \text{ヨウ化物イオン } \mathrm{I^-} \text{ に銀イオン } \mathrm{Ag^+} \]
【呈色/沈殿】:黄色沈殿。
【着眼点】:ハロゲン化銀の中で最も色が濃く、溶解度積が最小。
【法則/注意】:アンモニア水やチオ硫酸ナトリウム水溶液にも溶けにくい(他のハロゲン化銀との大きな違い)。
A. \[ \mathrm{AgI} \quad \text{(黄色沈殿)} \]
Q.86 \[ \text{リン酸イオン } \mathrm{PO_4^{3-}} \text{ に モリブデン酸アンモニウム} \]
【呈色/沈殿】:鮮やかな黄色沈殿。
【試薬/条件】:試料にモリブデン酸アンモニウムと硝酸を加えて加熱する。
【性質/用途】:肥料の分析や、生化学におけるリンの定量に利用される。
A. \[ \text{リンモリブデン酸アンモニウム の 黄色沈殿} \]
Q.87 \[ \text{炭酸塩に希塩酸を加える} \quad \mathrm{CO_3^{2-} + 2H^+} \]
【反応機構】:弱酸の遊離反応。
【着眼点】:発生した無色無臭の気体を石灰水に通し、白濁することで炭酸イオンの存在を確定させる。
【法則/注意】:炭酸水素イオン \[ \mathrm{HCO_3^-} \] も同様に二酸化炭素を発生する。
A. \[ \mathrm{CO_2} \uparrow + \mathrm{H_2O} \quad \text{(泡を出して溶ける)} \]
Q.88 \[ \text{銅の炎色反応} \]
【呈色/沈殿】:青緑色。
【着眼点】:銅単体だけでなく、塩化銅などの化合物でも同様の呈色を示す。
【性質/用途】:花火の緑色の着色剤として利用される。
A. \[ \text{青緑色} \]
Q.89 \[ \mathrm{Al^{3+}} \text{ にアルミノン試薬を加えて塩基性にする} \]
【呈色/沈殿】:赤色沈殿(アルミノンレイク)。
【着眼点】:水酸化アルミニウムの沈殿に色素が吸着される現象。
【法則/注意】:他の金属イオンと区別してアルミニウムを検出する際に有効。
A. \[ \text{赤色 の沈殿 (レイク) を生じる} \]
Q.90 \[ \mathrm{SO_2} \text{ を 赤紫色 の過マンガン酸カリウム水溶液に通す} \]
【反応機構】:酸化還元反応( \[ \mathrm{SO_2} \] が還元剤)。
【呈色/沈殿】:赤紫 → 無色。
【着眼点】:二酸化硫黄は還元作用を持つため、酸化剤の呈色を消失させる。ヨウ素溶液(褐色)に通しても無色化する。
A. \[ \text{赤紫色 が 消えて無色 になる} \]
Q.91 \[ \text{ヘリウム } \mathrm{He} \text{ の性質と用途} \]
【性質/用途】:水素に次いで軽く、不燃性のため安全な気球用ガスとして利用。また、極低温冷却剤としても不可欠。
【着眼点】:単原子分子であり、化学的に極めて不活性。
A. \[ \text{沸点が最も低く、安定(気球、超伝導電磁石の冷却)} \]
Q.92 \[ \text{アルゴン } \mathrm{Ar} \text{ の性質と用途} \]
【性質/用途】:空気中で窒素、酸素に次いで3番目に多いガス。フィラメントの昇華を防ぐため電球や溶接時の保護ガスに使用。
【着眼点】:他の希ガスに比べて安価で入手しやすい。
A. \[ \text{空気中に約 1\% 含まれ、電球の封入ガス等に利用} \]
Q.93 \[ \text{次亜塩素酸ナトリウム と 酸性洗剤 (塩酸)} \]
【反応機構】:酸化還元反応。
【法則/注意】: \[ \mathrm{NaClO + 2HCl \longrightarrow NaCl + H_2O + Cl_2} \] 。トイレ用洗剤などの強酸と混ぜると死に至る危険がある。
【性質/用途】:次亜塩素酸ナトリウムは「ハイター」等の漂白剤・消毒剤の主成分。
A. \[ \mathrm{Cl_2} \uparrow \quad \text{(有毒な塩素ガスが発生)} \]
Q.94 \[ \text{炭酸水素ナトリウム } \mathrm{NaHCO_3} \text{ の加熱} \]
【性質/用途】:パンを膨らませるベーキングパウダー(ふくらし粉)の主成分。発生する二酸化炭素が生地を押し広げる。
【着眼点】:水溶液は加水分解により弱塩基性を示すため、胃酸を中和する胃腸薬としても使われる。
A. \[ \mathrm{Na_2CO_3 + H_2O + CO_2} \uparrow \]
Q.95 \[ \text{酸性雨を引き起こす主な酸化物} \]
【反応機構】:酸性酸化物が雨水に溶けて硫酸や硝酸に変化する。
【着眼点】:化石燃料の燃焼や自動車の排気ガスが主な排出源。pH5.6以下の雨を指す。
【性質/用途】:森林の枯死、湖沼の酸性化、大理石の建物の腐食などの被害をもたらす。
A. \[ \mathrm{SO_2, NO_2} \quad \text{(硫黄酸化物、窒素酸化物)} \]
Q.96 \[ \text{光化学オキシダントの主成分} \]
【試薬/条件】:窒素酸化物( \[ \mathrm{NO_x} \] )と炭化水素が 紫外線 を受けて光化学反応を起こす。
【法則/注意】:日差しが強く、風の弱い日に発生しやすい。
【性質/用途】:目やのどの痛み、植物の白斑などの症状を引き起こす。
A. \[ \mathrm{O_3} \text{ (オゾン) や PAN} \]
Q.97 \[ \text{酸化チタン(IV) } \mathrm{TiO_2} \text{ の特異的な作用} \]
【試薬/条件】:紫外線を吸収することで活性酸素を生じ、有機物を水と二酸化炭素に分解する。
【性質/用途】:セルフクリーニング建材(汚れがつかない壁)や、空気清浄機、抗菌コートに利用される。
【着眼点】:自身は変化せず、半永久的に機能する。
A. \[ \text{光触媒作用 (強力な酸化力で汚れや細菌を分解)} \]
Q.98 \[ \text{多孔質アルミニウムケイ酸塩の機能} \]
【性質/用途】:ミクロな穴を持つ構造により、特定の大きさの分子を取り込んだり、イオンを入れ替えたりする。
【着眼点】:洗剤の水の軟水化(カルシウムイオン除去)や、触媒の担体として広く利用される。
A. \[ \text{イオン交換作用 や 分子ふるい 作用} \]
Q.99 \[ \text{地球温暖化に影響を与える主要ガス (2種)} \]
【着眼点】:排出量は二酸化炭素が最大だが、単位量あたりの温室効果能力はメタンの方が格段に高い。
【性質/用途】:地表からの赤外線を吸収し、熱を宇宙へ逃げにくくする性質を持つ。
A. \[ \mathrm{CO_2} \text{ (二酸化炭素) と } \mathrm{CH_4} \text{ (メタン)} \]
Q.100 \[ \text{歯磨き粉に含まれるフッ化物イオン } \mathrm{F^-} \text{ の効果} \]
【反応機構】:歯の主成分であるヒドロキシアパタイトを、より耐酸性の強いフルオロアパタイトに変える。
【性質/用途】:フルオロアパタイトは酸に対して溶解しにくいため、再石灰化を促進する。
A. \[ \text{歯のエナメル質を強化し、虫歯を予防する} \]
全100問の解説、お疲れ様でした!無機化学は暗記量が多く感じられますが、個別の物質を丸暗記するのではなく、元素の周期性や「酸化還元」「酸・塩基」といった基本ルールという「横の糸」を通すことで、一気に理解が深まります。
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