はじめに
本サイトの目玉は、下のカードめくりなので、適当に楽しんでいってください。
積分の問題では、置換積分や部分積分などの手法を駆使して、数式を順を追って変形していくのが王道です。 しかし、積分が「微分の逆演算」であることを強く意識し、あらかじめ「この複雑な式は、どの関数を微分して生まれたものか」という特殊なペアリングを知っていると、遠回りな積分計算は単なる「元の関数の連想」に変わり、 一瞬で正確な答えを見抜くことができます。 微分の逆演算から積分を瞬殺するための視点や、式の見方については、神経衰弱の下に解説をまとめました。 逆関数関連以外は、きっと見たことがある式だと考えます。
全12題中、とくに難関大の入試で計算のショートカットに直結する「逆三角関数関連の微分形」や、「積・商の微分法などの逆演算」に関する問題を中心に入れています。
逆微分・特殊ペアリングのカードめくりゲーム
間違えるても、計算の仕方と答えの説明がでるので、そのうち慣れます。
片側のカードを全部めくってから、ゲーム開始を勧めます。
逆微分・特殊ペアリング一覧と解説
全12題の内訳は以下の通りです。
【逆微分・逆三角極限】5題 / 【各種微分の逆演算】7題
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$\displaystyle\int \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \,dx = \arcsin x$ (逆微分)
- 【前提条件】$-1 < x < 1$
- 解説:逆正弦関数(アークサイン)を微分すると得られる形です。積分結果として瞬時に連想できるようにします。
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$\displaystyle\int \left( -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \right) \,dx = \arccos x$ (逆微分)
- 【前提条件】$-1 < x < 1$
- 解説:逆余弦関数(アークコサイン)を微分すると得られる形です。マイナスがつく点に注意します。
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$\displaystyle\int \frac{1}{1+x^2} \,dx = \arctan x$ (逆微分)
- 解説:逆正接関数(アークタンジェント)を微分すると得られる形です。有名な置換積分の根拠となる重要な式です。
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$\displaystyle\lim_{x\to0} \frac{\arcsin x}{x} = 1$ (逆三角極限)
- 解説:$t=\arcsin x$ と置換し、$\lim_{t\to0} \frac{t}{\sin t}$ に帰着させることで導出します。
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$\displaystyle\lim_{x\to0} \frac{\arctan x}{x} = 1$ (逆三角極限)
- 解説:$t=\arctan x$ と置換し、$\lim_{t\to0} \frac{t}{\tan t}$ に帰着させることで導出します。
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$\displaystyle\int \frac{f'(x)}{f(x)} \,dx = \log|f(x)|$ (対数微分)
- 【前提条件】$f(x) \neq 0$
- 解説:分子が分母の微分になっている形です。置換積分を経由せず、対数関数へ直結させます。
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$\displaystyle\int \frac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}} \,dx = \sqrt{f(x)}$ (無理関数)
- 【前提条件】$f(x) > 0$
- 解説:合成関数のルートの微分の逆演算です。積分の中にこのブロックを見つけたら一瞬で処理できます。
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$\displaystyle\int \{ f'(x)g(x) + f(x)g'(x) \} \,dx = f(x)g(x)$ (積の微分)
- 解説:積の微分の展開形です。式の間に「+」があり、互いに微分を交換しているのが目印です。
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$\displaystyle\int \frac{f'(x)g(x) - f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2} \,dx = \frac{f(x)}{g(x)}$ (商の微分)
- 【前提条件】$g(x) \neq 0$
- 解説:商の微分の展開形です。「-」があることと、分母が2乗になっているのが見抜くポイントです。
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$\displaystyle\int f'(x)e^{f(x)} \,dx = e^{f(x)}$ (合成(指数))
- 解説:指数関数の肩に乗っている関数の微分が手前に掛けられている形です。微分の連鎖律の逆演算です。
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$\displaystyle\int \frac{1}{\cos^2 x} \,dx = \tan x$ (三角関数)
- 【前提条件】$\cos x \neq 0$
- 解説:タンジェントの微分です。積分計算の途中で出現した際、迷わず戻せるようにします。
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$\displaystyle\int \frac{1}{x \log x} \,dx = \log|\log x|$ (特殊対数)
- 【前提条件】$x > 0, x \neq 1$
- 解説:$f'(x)/f(x)$ の特殊パターンです。分母の $f(x)$ が $\log x$ だと見抜けるかが鍵です。
解説
このテーマの目的は「計算すること」ではなく「形を見抜くこと」です。
以下の多くは微分の公式そのものであるため、長々とした計算過程を追う必要はありません。「右辺を微分すれば左辺の形になる」という事実を頭に入れ、数式を見た瞬間に逆算のイメージが湧くようにトレーニングしましょう。
1. $\int \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \,dx = \arcsin x$ (逆微分)
ポイント:まともに積分しようとすると置換積分が必要になり時間がかかります。右辺の微分が左辺になる「公式」として暗記し、形を見たら一瞬で連想できるようにしましょう。
2. $\int \left( -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \right) \,dx = \arccos x$ (逆微分)
ポイント:1番のアークサインの式にマイナスがついただけの形です。アークコサインの微分として丸暗記しておきます。
3. $\int \frac{1}{1+x^2} \,dx = \arctan x$ (逆微分)
ポイント:有名積分の代表格です。これも $x=\tan\theta$ の置換積分をショートカットする微分の公式として、結果を記憶しておくのが最も実戦的です。
4. $\lim_{x\to0} \frac{\arcsin x}{x} = 1$ (逆三角極限)
ポイント:初見では戸惑う極限ですが、置換することですぐに見慣れた三角関数の極限に帰着します。
導出:
$t = \arcsin x$ とおくと、$x = \sin t$ となります。
$x \to 0$ のとき $t \to 0$ なので、$\lim_{t\to 0} \frac{t}{\sin t} = 1$ となります。
5. $\lim_{x\to0} \frac{\arctan x}{x} = 1$ (逆三角極限)
ポイント:4番のアークサインの極限と全く同じアプローチで解決します。
導出:
$t = \arctan x$ とおくと、$x = \tan t$ となります。
$\lim_{t\to 0} \frac{t}{\tan t} = 1$ となります。
6. $\int \frac{f'(x)}{f(x)} \,dx = \log|f(x)|$ (対数微分)
ポイント:【超重要公式】分数の積分を見たときは、真っ先に「分子が分母の微分になっていないか?」と疑うクセをつけましょう。
7. $\int \frac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}} \,dx = \sqrt{f(x)}$ (無理関数)
ポイント:$\{\sqrt{f(x)}\}'$ を微分した形です。積分計算の途中でこのブロックが出現したら、置換積分をパスしてそのままルートに戻します。
8. $\int \{ f'(x)g(x) + f(x)g'(x) \} \,dx = f(x)g(x)$ (積の微分)
ポイント:積の微分公式です。式の間に「+」があり、互いに微分を交換して掛け合っている形を見抜くのが鍵です。
9. $\int \frac{f'(x)g(x) - f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2} \,dx = \frac{f(x)}{g(x)}$ (商の微分)
ポイント:商の微分公式です。分母が2乗になっており、分子の間に「-」があることが強力な目印になります。
10. $\int f'(x)e^{f(x)} \,dx = e^{f(x)}$ (合成(指数))
ポイント:合成関数の微分の逆演算です。指数関数の手前に、肩の関数の微分がポツンと掛けられている形を見落とさないようにします。
11. $\int \frac{1}{\cos^2 x} \,dx = \tan x$ (三角関数)
ポイント:$\tan x$ の微分公式そのものです。基本中の基本ですが、複雑な計算の最後にしれっと現れると意外と見落としがちなので注意が必要です。
12. $\int \frac{1}{x \log x} \,dx = \log|\log x|$ (特殊対数)
ポイント:一見複雑に見えますが、実は 6. の対数微分の応用です。分母の $f(x)$ にあたる部分が $\log x$ であることに気づけるかがポイントです。
導出:
分母の $x$ を分子に移動させて $\int \frac{1/x}{\log x} \,dx$ と変形すると、$\int \frac{(\log x)'}{\log x} \,dx$ の形($\frac{f'(x)}{f(x)}$)になっていることがわかります。
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