積分レベル別問題解説 【レベル2】入試基礎レベル (16題)

2026年5月10日日曜日

数学 積分

t f B! P L

はじめに

レベル2は「入試基礎レベル」です。ここでは、面積の高速計算公式(1/6公式など)や、対称性(偶関数・奇関数)、円や三角関数の図形的意味など、「知っていれば数秒で解ける、知らなければ泥沼の計算にはまる」という重要な定石を扱います。

基礎固めを終えてやっとこのレベルに来た皆さん、素晴らしいペースです!ここでの目標は、単に積分を計算することではなく、「この式はどんな図形を表しているのか?」「どうすれば計算をサボれるか?」という視点を持つことです。詳細な展開と図形的なイメージを結びつけて、入試の得点源に変えていきましょう!

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問題一覧(レベル2:全16題)

まずは自力で「あの図形だ!」「あのテクニックだ!」とパッと浮かぶか確認してみましょう。

  • No. 1: $$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta) \,dx $$
  • No. 2: $$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta)^2 \,dx $$
  • No. 3: $$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^2 \,dx $$
  • No. 4: $$ \int_0^2 |x^2-x| \,dx $$
  • No. 5: $$ \int_{-a}^{a} f(x) \,dx \quad (\text{奇関数}) $$
  • No. 6: $$ \int_{-a}^{a} f(x) \,dx \quad (\text{偶関数}) $$
  • No. 7: $$ \int_0^{2\pi} \sin(nx) \,dx $$
  • No. 8: $$ \int_0^\pi \sin x \,dx $$
  • No. 9: $$ \int_0^1 \sqrt{1-x^2} \,dx $$
  • No. 10: $$ \int_0^1 \frac{1}{1+x^2} \,dx $$
  • No. 11: $$ \int_0^{\pi/2} \sin^3 x \,dx $$
  • No. 12: $$ \int_0^{\pi/2} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \,dx $$
  • No. 13: $$ \int_0^\infty e^{-x} \,dx $$
  • No. 14: $$ \int x e^x \,dx $$
  • No. 15: $$ \int \log x \,dx $$
  • No. 16: $$ \int_0^1 f(x) \,dx = \int_0^1 f(1-x) \,dx $$

ちょっと注意の問題特集:レベル2の必殺技

1. 【メイン】魔法の置換:King Property ($x \to a-x$)

レベル1で予告した強力な武器がついに登場します(No.12, 16)。

例えば、区間 $[0, 1]$ の積分で $x = 1-t$ と置換することを考えます。数式で見ると複雑ですが、イメージは「グラフを真ん中の直線($x=1/2$)でパタンと左右にひっくり返す」だけです。グラフを左右反転させても、全体の面積(積分の値)はまったく変わりません。

特に No.12 のような問題では、「元の式 $I$ と、ひっくり返した式 $I$ を足して $2I$ を作り、分母と分子を約分してシンプルなかたちにする」という手順が鉄板の定石です。分母に $\sin x + \cos x$ のような強い対称性を見たら、計算を始める前に「ひっくり返して足す」方針を疑いましょう。

2. 【サブ】「計算しない」勇気:図形解釈への切り替え

No.9 の $\int_0^1 \sqrt{1-x^2} \,dx$ を見て、すぐに $x = \sin\theta$ と置換して計算スペースを埋め尽くしていませんか?

もちろん式変形でも解けますが、$y = \sqrt{1-x^2}$ の両辺を2乗して整理すると $x^2 + y^2 = 1$ になります。つまり、これは「原点中心・半径1の円の上半分」を表す式です。積分区間が $0$ から $1$ ならば、第一象限にある単なる「四分円の面積」にすぎません。計算せずとも $\pi \times 1^2 \div 4 = \frac{\pi}{4}$ と数秒で答えが出ます。

まともに計算するとタイムロスだけでなく計算ミスを誘発します。「これは知っている図形の面積ではないか?」と立ち止まる勇気を持ちましょう。


解答と解説

No. 1

問題:

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta) \,dx $$

解答:

$$ -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3 $$

【図形面積との対応・応用】

「放物線と直線」または「2つの放物線」が囲む面積を求めるときに必ず現れる形です。交点の $x$ 座標がちょうど $\alpha$ と $\beta$ になるため、積分区間とカッコの中身の解が完全に一致します。実際の面積 $S$ を出すときは、先頭のマイナスを取って絶対値をつけ $S = \frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3$ ($a$ は $x^2$ の係数)として応用します。

【解説・詳細な式展開】

そのまま展開すると $\alpha$ や $\beta$ が混ざって計算が大変です。そこで、$(x-\beta)$ を無理やり $(x-\alpha) + (\alpha-\beta)$ とかたまりで分けて展開します。

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)\{ (x-\alpha) + (\alpha-\beta) \} \,dx = \int_\alpha^\beta \{ (x-\alpha)^2 + (\alpha-\beta)(x-\alpha) \} \,dx $$

これで $(x-\alpha)$ の基本累乗になったので、レベル1の公式でそのまま積分します。

$$ = \left[ \frac{1}{3}(x-\alpha)^3 + \frac{\alpha-\beta}{2}(x-\alpha)^2 \right]_\alpha^\beta $$

上の端 $\beta$ を代入し、下の端 $\alpha$ を代入するとすべて $0$ になって消えるのがこの変形の最大のメリットです。

$$ = \left( \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^3 + \frac{\alpha-\beta}{2}(\beta-\alpha)^2 \right) - 0 $$

ここで $\alpha-\beta = -(\beta-\alpha)$ であることに注意して共通因数 $(\beta-\alpha)^3$ でくくります。

$$ = \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{2} \right)(\beta-\alpha)^3 = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3 $$

  • キーポイント: 面積公式:1/6公式(交点区間)
  • 着眼点: 積分区間が被積分関数(=0)の解
  • 【危険】(ピットフォール): 先頭のマイナス符号の落とし忘れ

No. 2

問題:

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta)^2 \,dx $$

解答:

$$ \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4 $$

【図形面積との対応・応用】

「3次関数のグラフとその接線」が囲む面積、あるいは「放物線とその2本の接線」が囲む面積を求めるときに応用できる公式です。接点では完全に接するため「2乗」の形が現れ、もう一方の交点で「1次」の形が現れます。

【解説・詳細な式展開】

No.1と同様に、積分が楽になるよう $(x-\alpha)$ を $(x-\beta) + (\beta-\alpha)$ と変形してかたまりを作ります。

$$ \int_\alpha^\beta \{ (x-\beta) + (\beta-\alpha) \}(x-\beta)^2 \,dx = \int_\alpha^\beta \{ (x-\beta)^3 + (\beta-\alpha)(x-\beta)^2 \} \,dx $$

そのまま積分を実行します。

$$ = \left[ \frac{1}{4}(x-\beta)^4 + \frac{\beta-\alpha}{3}(x-\beta)^3 \right]_\alpha^\beta $$

上の端 $\beta$ を代入すると今度はすべて $0$ になり、下の端 $\alpha$ の引き算だけが残ります。

$$ = 0 - \left( \frac{1}{4}(\alpha-\beta)^4 + \frac{\beta-\alpha}{3}(\alpha-\beta)^3 \right) $$

偶数乗なので $(\alpha-\beta)^4 = (\beta-\alpha)^4$ です。奇数乗は $(\alpha-\beta)^3 = -(\beta-\alpha)^3$ となるため符号に注意して整理します。

$$ = -\frac{1}{4}(\beta-\alpha)^4 + \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^4 = \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4 $$

  • キーポイント: 面積公式:1/12公式(接線区間)
  • 着眼点: (1次)×(2乗)で区間が各々の零点
  • 【危険】(ピットフォール): 分母の数値(12)を忘れて1/6と混同する

No. 3

問題:

$$ \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^2 \,dx $$

解答:

$$ \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^3 $$

【図形面積との対応・応用】

「放物線とその接線、および特定の縦線($y$軸など)」が囲む細長い三角形のようなエリアの面積計算で頻出します。カッコ内が完全平方式になっているのが特徴です。

【解説・詳細な式展開】

わざわざ $x^2 - 2\alpha x + \alpha^2$ と展開する必要はありません。$(x-\alpha)$ のかたまりのまま一気に積分します。

$$ \left[ \frac{1}{3}(x-\alpha)^3 \right]_\alpha^\beta = \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^3 - 0 = \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^3 $$

  • キーポイント: 面積公式:1/3公式(接線と直線)
  • 着眼点: 完全平方式の定積分
  • 【危険】(ピットフォール): 展開して計算ミスを誘発する

No. 4

問題:

$$ \int_0^2 |x^2-x| \,dx $$

解答:

$$ 1 $$

【応用シーン】

絶対値を含む積分は「グラフと $x$ 軸が囲む面積の総和」を表します。この区間分割の考え方は、道のり(速さの絶対値の積分)の計算など幅広く応用されます。

【解説・詳細な式展開】

絶対値の中身 $x^2-x = x(x-1)$ の符号が変わる分岐点は $x=0$ と $x=1$ です。積分区間 $[0, 2]$ のうち、$0 \le x \le 1$ では中身が負、$1 \le x \le 2$ では正になるため、区間を $1$ で分割して絶対値を外します。

$$ \int_0^1 -(x^2-x) \,dx + \int_1^2 (x^2-x) \,dx $$

前半の積分は交点区間なので No.1 の「1/6公式」のマイナスを取ったかたち(面積)そのものです。そのまま $\frac{1}{6}(1-0)^3 = \frac{1}{6}$ と求められます。後半を普通に計算します。

$$ = \frac{1}{6} + \left[ \frac{x^3}{3} - \frac{x^2}{2} \right]_1^2 = \frac{1}{6} + \left( \left(\frac{8}{3} - 2\right) - \left(\frac{1}{3} - \frac{1}{2}\right) \right) $$

$$ = \frac{1}{6} + \left( \frac{2}{3} - \left(-\frac{1}{6}\right) \right) = \frac{1}{6} + \frac{5}{6} = 1 $$

  • キーポイント: 定積分:絶対値の区間分割
  • 着眼点: 絶対値の中身の符号変化
  • 【危険】(ピットフォール): 区間で分けずに符号反転を忘れる

No. 5

問題:

$$ \int_{-a}^{a} f(x) \,dx \quad (f(-x)=-f(x)) $$

解答:

$$ 0 $$

【図形面積との対応・応用】

$f(-x)=-f(x)$ を満たす関数は「奇関数(原点対称)」です(例:$x, x^3, \sin x$ など)。対称な区間 $[-a, a]$ で積分すると、$x$ 軸より上の面積と下の面積がまったく同じ形になり、プラスマイナスが完全に相殺されます。多項式の積分で奇数乗の項を最初から消去する「瞬殺テクニック」として必須です。

  • キーポイント: 対称性:奇関数の定積分([-a, a] 区間)
  • 着眼点: 対称な積分区間 [-a, a] と奇関数
  • 【危険】(ピットフォール): 偶奇判定ミスをして真面目に計算してしまう

No. 6

問題:

$$ \int_{-a}^{a} f(x) \,dx \quad (f(-x)=f(x)) $$

解答:

$$ 2\int_{0}^{a} f(x) \,dx $$

【図形面積との対応・応用】

$f(-x)=f(x)$ を満たす関数は「偶関数($y$軸対称)」です(例:定数, $x^2, \cos x$ など)。$y$ 軸の左右で同じ面積が広がるため、計算しやすい右半分 $[0, a]$ だけを出して2倍します。下の端に $0$ を代入できるため、計算ミスが激減します。

  • キーポイント: 対称性:偶関数の定積分([-a, a] 区間)
  • 着眼点: 対称な積分区間 [-a, a] と偶関数
  • 【危険】(ピットフォール): 先頭の2倍忘れ

No. 7

問題:

$$ \int_0^{2\pi} \sin(nx) \,dx $$

解答:

$$ 0 $$

【図形面積との対応・応用】

サイン波の「ちょうど $n$ 周期分」を表します。山(プラスの面積)と谷(マイナスの面積)が同じ数だけ現れるため、合計は計算するまでもなく $0$ です。交流回路の電力計算(物理)などでもよく使われる視点です。

  • キーポイント: 面積解釈:sin波の1周期分
  • 着眼点: サインのちょうど1周期分の区間
  • 【危険】(ピットフォール): $n$ を含んだまま置換して時間を無駄にする

No. 8

問題:

$$ \int_0^\pi \sin x \,dx $$

解答:

$$ 2 $$

【図形面積との対応・応用】

サインカーブの「ひと山」の面積がちょうど $2$ であることは絶対に覚えておきましょう。例えば $\int_0^{\pi/2} \sin x \,dx$ なら山の半分なので面積は $1$ と即答でき、面積の感覚を持っておくと自分の計算ミスにすぐ気づけます。

【解説・詳細な式展開】

$$ \left[ -\cos x \right]_0^\pi = (-\cos\pi) - (-\cos 0) = (-(-1)) - (-1) = 1 + 1 = 2 $$

  • キーポイント: 面積解釈:sin波1山の面積
  • 着眼点: サインカーブのひと山分 [0, π]
  • 【危険】(ピットフォール): $\cos\pi=-1$ の代入とマイナスが絡み合う符号ミス

No. 9

問題:

$$ \int_0^1 \sqrt{1-x^2} \,dx $$

解答:

$$ \frac{\pi}{4} $$

【図形面積との対応・応用】

特集でも触れた通り、「半径1の四分円の面積」です。ルートの中に $a^2 - x^2$ を見たら「円の面積の一部」だと見抜く力は、楕円の面積計算などでも強力なショートカットになります。

  • キーポイント: 面積解釈:四分円の面積
  • 着眼点: 円の上半分の式
  • 【危険】(ピットフォール): 反射的に $x=\sin\theta$ と置いて無駄な置換積分をする

No. 10

問題:

$$ \int_0^1 \frac{1}{1+x^2} \,dx $$

解答:

$$ \frac{\pi}{4} $$

【応用シーン】

分母に $x^2 + a^2$ のかたちを含むものはすべて $x = a\tan\theta$ と置換する定石中の定石です。

【解説・詳細な式展開】

$x = \tan\theta$ と置換します。両辺を $\theta$ で微分すると $dx = \frac{1}{\cos^2\theta} \,d\theta$ です。積分区間は $x$ が $0 \to 1$ のとき、$\theta$ は $0 \to \frac{\pi}{4}$ に対応します。

$$ \int_0^{\pi/4} \frac{1}{1+\tan^2\theta} \cdot \frac{1}{\cos^2\theta} \,d\theta $$

ここで三角関数の相互関係 $1+\tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta}$ を使うと、分母と後ろの分数が見事にすべて約分されて $1$ になります。

$$ = \int_0^{\pi/4} 1 \,d\theta = \left[ \theta \right]_0^{\pi/4} = \frac{\pi}{4} $$

  • キーポイント: 三角置換:x=tanθ 型
  • 着眼点: 分母に 1+x^2 の形
  • 【危険】(ピットフォール): 置換に伴う積分区間の変更忘れ

No. 11

問題:

$$ \int_0^{\pi/2} \sin^3 x \,dx $$

解答:

$$ \frac{2}{3} $$

【応用シーン】

区間 $[0, \pi/2]$ における $\sin$ や $\cos$ の累乗は「ウォリス積分公式」で一瞬で解けます。置換積分をした結果、最後にこのかたちに帰着する入試問題は非常に多いです。

【解説・詳細な式展開】

公式を使わずに丁寧に解く場合の変形も確認しておきましょう。$\sin^3 x = \sin x (1-\cos^2 x)$ と1個だけ分離します。$\cos x = t$ と置くと $-\sin x \,dx = dt$、区間は $1 \to 0$ になります。

$$ \int_1^0 (1-t^2)(-dt) = \int_0^1 (1-t^2) \,dt = \left[ t - \frac{t^3}{3} \right]_0^1 = 1 - \frac{1}{3} = \frac{2}{3} $$

  • キーポイント: 漸化式:ウォリス積分の基本(3乗)
  • 着眼点: 区間 [0, π/2] における sin または cos の累乗
  • 【危険】(ピットフォール): 偶数乗と奇数乗のウォリス公式の混同

No. 12

問題:

$$ \int_0^{\pi/2} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \,dx $$

解答:

$$ \frac{\pi}{4} $$

【解説・詳細な式展開】

特集で紹介した King Property の実践です。元の積分を $I$ と置きます。

$$ I = \int_0^{\pi/2} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \,dx $$

区間の和から変数を聞く置換 $x = \frac{\pi}{2} - t$ を行います。$dx = -dt$ で、区間は $\frac{\pi}{2} \to 0$ になります。また、$\sin(\frac{\pi}{2}-t) = \cos t$、$\cos(\frac{\pi}{2}-t) = \sin t$ と入れ替わります。

$$ I = \int_{\pi/2}^0 \frac{\cos t}{\cos t + \sin t} (-dt) = \int_0^{\pi/2} \frac{\cos t}{\sin t + \cos t} \,dt $$

定積分において変数の文字は何でもよいので、$t$ を $x$ に戻して元の $I$ と足し合わせます。

$$ 2I = \int_0^{\pi/2} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \,dx + \int_0^{\pi/2} \frac{\cos x}{\sin x + \cos x} \,dx $$

分母が同じなので分子を足すと、なんと分母と完全に一致します。

$$ 2I = \int_0^{\pi/2} \frac{\sin x + \cos x}{\sin x + \cos x} \,dx = \int_0^{\pi/2} 1 \,dx = \left[ x \right]_0^{\pi/2} = \frac{\pi}{2} $$

最後に両辺を $2$ で割って答えです。$I = \frac{\pi}{4}$。

  • キーポイント: 対称変形:x→a-x 置換(分母分子の相殺)
  • 着眼点: 分母分子の強い対称性と区間 [0, π/2]
  • 【危険】(ピットフォール): 最後の $2I$ の割り忘れ

No. 13

問題:

$$ \int_0^\infty e^{-x} \,dx $$

解答:

$$ 1 $$

【解説・詳細な式展開】

無限大を含む広義積分です。上の端をいったん文字 $t$ と置いて積分し、最後に $t \to \infty$ の極限をとります。

$$ \lim_{t \to \infty} \int_0^t e^{-x} \,dx = \lim_{t \to \infty} \left[ -e^{-x} \right]_0^t = \lim_{t \to \infty} \left( -e^{-t} - (-e^0) \right) $$

$$ = \lim_{t \to \infty} \left( -\frac{1}{e^t} + 1 \right) = 0 + 1 = 1 $$

  • キーポイント: 広義積分:無限大区間(極限処理)
  • 着眼点: 積分区間に無限大を含む
  • 【危険】(ピットフォール): 極限値の計算ミス

No. 14

問題:

$$ \int x e^x \,dx $$

解答:

$$ (x-1)e^x + C $$

【解説・詳細な式展開】

種類の異なる関数の積は「部分積分」です。微分して消したい方を $x$、積分しても扱いやすい方を $e^x$ に設定します。$e^x = (e^x)'$ と見て変形します。

$$ \int x (e^x)' \,dx = x e^x - \int (x)' e^x \,dx = x e^x - \int 1 \cdot e^x \,dx $$

$$ = x e^x - e^x + C = (x-1)e^x + C $$

  • キーポイント: 部分積分:多項式×指数関数
  • 着眼点: 種類の異なる関数の積(多項式×指数)
  • 【危険】(ピットフォール): 後ろの積分の符号ミス

No. 15

問題:

$$ \int \log x \,dx $$

解答:

$$ x \log x - x + C $$

【応用シーン】

単体の $\log$ の積分は、これ自体が公式として入試の途中で息をするように使われます。確実に導出できるようにしておきましょう。

【解説・詳細な式展開】

前に無理やり $1 \times$ が隠れていると見て、$1 = (x)'$ として部分積分を行います。

$$ \int (x)' \log x \,dx = x \log x - \int x \cdot (\log x)' \,dx = x \log x - \int x \cdot \frac{1}{x} \,dx $$

$$ = x \log x - \int 1 \,dx = x \log x - x + C $$

  • キーポイント: 部分積分:対数関数単体
  • 着眼点: log x 単体
  • 【危険】(ピットフォール): 微分時の 1/x 処理ミス

No. 16

問題:

$$ \int_0^1 f(x) \,dx = \int_0^1 f(1-x) \,dx $$

解答:

(証明・変形として等しい)

【解説・詳細な式展開】

King Property の一番基本となる証明です。右辺から出発して $1-x = t$ と置換します。$x = 1-t$ より $dx = -dt$。区間は $x: 0 \to 1$ のとき $t: 1 \to 0$ に反転します。

$$ \int_0^1 f(1-x) \,dx = \int_1^0 f(t) (-dt) = \int_0^1 f(t) \,dt = \int_0^1 f(x) \,dx $$

マイナスを使って積分区間を元に戻すプロセスをしっかり実感してください。

  • キーポイント: 対称変形:x→1-x 置換(King Propertyの土台)
  • 着眼点: 積分区間 [0, 1] における対称変換
  • 【危険】(ピットフォール): dx = -dt による区間の反転処理の曖昧さ

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