はじめに
本サイトの目玉は、下のカードめくりなので、適当に楽しんでいってください。
思いつかないと、ほぼ確実に詰まる不等式があります。第3弾はイェンセンの不等式です。
イェンセンの不等式の一般形は、関数 $f(x)$ が凸関数(下に凸・谷の形)であるとき、次のように表されます。
$$ f\left( \sum_{i=1}^{n} \alpha_i x_i \right) \le \sum_{i=1}^{n} \alpha_i f(x_i) $$(ただし、$\sum_{i=1}^{n} \alpha_i = 1 \quad (\alpha_i \ge 0)$)
難しそうに見えますが、初学者の学習や実際の大学入試で頻出するのは、この変数の数が「2点」または「3点」で、かつ係数 $\alpha_i$ が均等($\frac{1}{2}$ や $\frac{1}{3}$)なケースがほとんどです。イメージが難しい人は下記のシミュレーターで先にイメージを掴みましょう。
イェンセンの不等式カードめくりゲーム
間違えても、計算の仕方と答えの説明がでるので、そのうち、覚えられます。
下のカードを全部めくってから、上のカードをめくる方法を奨めます。
出題不等式一覧(イェンセン編)
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\( \displaystyle f\left(\frac{x+y}{2}\right) \le \frac{f(x)+f(y)}{2} \)
【前提条件】\(f(x)\) が凸関数(下に凸)であること。
【ヒント】2点を結んだ直線の真ん中よりも、関数のグラフの真ん中の方が下にあることを示しています。 -
\( \displaystyle \sin A + \sin B + \sin C \le \frac{3\sqrt{3}}{2} \)
【前提条件】\(A, B, C\) が三角形の内角(\(A+B+C=\pi\), かつ \(A,B,C > 0\))であること。
【ヒント】\(0 < x < \pi\) の範囲で \(\sin x\) は凹関数(上に凸)になります。正三角形のときに最大値をとります。 -
\( \displaystyle \frac{\log x + \log y}{2} \le \log\left(\frac{x+y}{2}\right) \)
【前提条件】\(x > 0, y > 0\)(真数条件)であること。
【ヒント】対数関数のグラフも上に凸(お山)です。そのため、2点の真ん中のy座標よりも、真ん中のx座標でのグラフの高さの方が大きくなります。 -
\( \displaystyle e^{\frac{x+y}{2}} \le \frac{e^x+e^y}{2} \)
【前提条件】\(x, y\) が実数であること。
【ヒント】指数関数のグラフは常に下に凸(谷)です。谷の中に引いた直線(2点の中点)の方が、グラフの底よりも上にきます。 -
\( \displaystyle f(\mathbb{E}[X]) \le \mathbb{E}[f(X)] \)
【前提条件】\(f(x)\) が凸関数(下に凸)であり、\(X\) が確率変数であること。
【ヒント】少し発展して確率変数の期待値での表現です。グラフが下に凸ならこの向きです。上に凸なら逆向きになります。 -
\( \displaystyle f\left(\frac{x+y+z}{3}\right) \le \frac{f(x)+f(y)+f(z)}{3} \)
【前提条件】\(f(x)\) が凸関数(下に凸)であること。
【ヒント】3変数の基本形です。グラフ上の3点で作った三角形の「重心の高さ」と、「真ん中でのグラフの高さ」を比較するイメージを持つと直感的です。 -
\( \displaystyle \cos A + \cos B + \cos C \le \frac{3}{2} \)
【前提条件】\(A, B, C\) が鋭角三角形の内角(すべて \(0 < \theta < \frac{\pi}{2}\))であること。
【ヒント】\(0 < x < \frac{\pi}{2}\) の範囲で \(\cos x\) は凹関数(上に凸)になります。これも正三角形のとき各角が60度となり、最大値をとります。
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